【季節のレシピ】
季節の恵みである旬の食材でつくる保存食や発酵食と日々のごはん。
自家製調味料や時々おやつも。
季節を感じて愉しみながらつくってみませんか。
ここでは、そんなすこやかなくらしをお手伝いするレシピをご紹介していきます。
※二十四節気「秋分」についてはこちら。
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〈旬の食材「きのこ-舞茸」〉
舞茸は「見つけると舞うほどうれしい」と「カサがヒラヒラしていて舞っているように見える」ということから名づけられたと言われています。
本しめじのように希少性のある天然きのこでしたが、1970年代に栽培に成功し、広く流通するようになりました。
舞茸はよくスーパーなどでも売られていますが、そのほとんどは栽培物です。
天然の舞茸は北海道や東北の深山でしか採れず希少なため高価なきのことなっています。天然ものの旬は秋です。
毎年のように同じ木の同じ場所に生えると言われていて、きのこ採りの人は見つけても決して人にその場所は教えないのだそうですよ。
栄養価に優れており、キノコ類に含まれるβグルカンの効力が群を抜いて強いです。
βグルカンは、免疫機能を回復させ、ガン細胞の増殖を抑えることや、血圧・血糖値・コレステロールを下げるなどの効果が期待できます。
腸を刺激して腸内をきれいにする効果もあるので、大腸がんの予防も期待できます。
カルシウムの吸収を助け、骨や歯を丈夫にするビタミンD、ナイアシンなどのビタミンB群と亜鉛が豊富です。
ビタミンDの前駆体であるエルゴステロール含有量はきのこ類の中でトップクラスです。
選ぶ時は、ヒダに厚みがあり、シャキッとして軸が硬くしまり、ピンとしているものを選びましょう。
小さくひと株ごとになったものと、大株を切り分けたものが売られていますが、小株のものは小さい分ヒダも薄い傾向にあります。
シコシコした歯触りを楽しむなら大株のものの方が良いでしょう。
パックのままか、乾燥しないように袋に入れて冷蔵庫で保存し、3日~4日までに使い切りましょう。
冷凍する場合は、食べやすい大きさにほぐして、小分けにしましょう。
舞茸は生では食べられません。必ず加熱調理してから食べてくださいね。
マイタケプロテアーゼというタンパク質分解酵素を含んでいるので注意しましょう。
逆に、これを活かし、肉などを焼く前にマイタケと塩、胡椒、酒またはワイン、ニンニクなどを一緒にミキサーにかけたマリネ液に浸しておくと肉が柔らかくなります。
香りがとても強いキノコなので、他の食材の風味を殺してしまわないよう使う量を加減するとよいでしょう。
また、煮汁などに色が付きやすいきのこですので、綺麗な澄んだ色に仕上げたい場合はあらかじめさっと湯通ししておく必要があります。
〈旬の食材「きのこ-ぶなしめじ」〉
味にくせがなく、和洋中といろいろな料理に使いやすいことで人気です。
ぶなしめじは、本来は味が淡泊で旨味とともに多少の苦みを持つきのこでしたが、人工栽培への移行に伴い改良されて、味がよく食べやすいきのことして、広く食卓にのぼるようになりました。
一般によく目にするぶなしめじは、おがくずと栄養材を固めた菌床で栽培されたもので、かつては「本しめじ」として販売されていました。
しかし、「本しめじ」という本来の品種は、このぶなしめじとは別の品種で、栽培には向かない野生のきのこなのでその名称での販売が国により止められ、今では「ぶなしめじ」として売られています。
↑本しめじ。姿かたちが違いますね。
栽培物は施設内で作られているので当然通年栽培され、旬はありません。
ただ、旬と言う訳ではありませんが、栽培物は通年品質が安定しているにもかかわらず、夏場は需要が少ないために同じ価格で量が増えたり、セール品の対象になったりと価格が下がる傾向にあるのだそうですよ。
寒い時期の鍋だけでなく、炒め物やマリネなど、お得に色々と使いたいですね。
天然物のぶなしめじは秋にブナの倒木や切り株、枯れ木などに群がるように生えるきのこです。ブナ以外にもトチノキやカエデ等、他の広葉樹でも見られる事があります。
色は薄茶色で、傘は大きいものだと15cm程にもなり、一般のスーパーなどで売られている栽培物とは見た目がかなり違っていますね。
天然物の収穫は、地域にもよりますが、8月下旬頃から11月頃で、旬は9月下旬から11月初旬となります。
ぶなしめじには、カルシウムの吸収率を上げるビタミンDの他にビタミンB1、B2、ナイアシン、食物繊維、カリウムなどが含まれています。
ナイアシンは血行を良くし、カリウムは高血圧を改善、食物繊維は便秘解消の効果が期待できます。 機能を向上させる働きやたんぱく質の吸収を促進させ、体を成長させる大事な働きもしてくれる必須アミノ酸といわれる「リジン」も含まれています。
ぶなしめじを選ぶ時は、カサの色が濃く、小ぶりで開きすぎず、ハリと弾力のあるものが新鮮です。
軸は硬く、短いものを選びましょう。
古くなるにつれ全体に柔らかくなり、傘や柄の部分などにしわが出始めます。
きのこ類は水気を嫌うので濡れないように気をつけて、乾燥しないように袋に入れます。
冷蔵庫に入れ3日~4日までに使い切りましょう。
冷凍保存する場合は、石づきを切り落として使いたい房の大きさにほぐし、保存袋などに入れて冷凍します。
使う際は必要な分だけ取り出し、凍ったまま調理しても大丈夫です。
きのこ類は冷凍することでうまみの素であるグルタミン酸等が増えることが近年発見されたそうなので、是非お試しください。
【旬の食材レシピ】
今回はノブさんおすすめの「きのこ」を使った保存食レシピを3品と、それぞれのアレンジレシピをご紹介します。
香りや食感の違うきのこを数種組み合わせてつくるのが、美味しさのポイントです。
お好みのきのこを組み合わせて秋色のびん詰め保存食を楽しみましょう♪
【きのこの保存食①♪】
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塩蒸しきのこ
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きのこの旨みを引き出してぎゅっと凝縮!蒸しているのでぷりっとした食感になります。
今回は5種類のきのこを使いましたが、お好きなきのこ3種類以上をミックスしてください。ミックスすることで風味に深みが出ます。ご飯、汁物、おかずと幅広く使え、なんでも美味しくするうれしい保存食です。
《材料》約600ml容量の保存容器1個分
・きのこ(しめじ・舞茸・えのきだけ・エリンギ・椎茸などお好みで):合わせて500g
・酒:大さじ1
・塩:小さじ1
《作り方》
①きのこはすべて紙タオルなどで汚れをはらいます。
しめじは、根元を切り落とし、小房に分けます。
舞茸は、根元を切り落とし、食べやすい大きさにほぐします。
えのきだけは、根元を切り落とし、3等分の長さに切ってほぐします。
しいたけは、石づきを切り落とし、3mm厚さに薄切りします。
エリンギは、大きいものは長さを半分に切り、食べやすい大きさに切ります。
②①を鍋に入れ、酒をふります。
フタをして水分が出てくるまで弱めの中火で3〜4分蒸し、フタをとって汁けがなくなるまで炒めます。
③塩を加えて全体を混ぜ、粗熱が取れたら清潔な保存びんに入れます。
〈メモ〉
*きのこの旨みが出た汁も調味料として活用できます。
〈食べ頃〉
つくってすぐ食べられますが、冷蔵庫でひと晩寝かせると味がなじんでより美味しくなります。
〈保存〉
冷蔵庫で1週間ほどが保存の目安です。
ジッパー付き保存袋などに入れて冷凍庫で3ヶ月ほど保存可。
〈応用メニュー〉
混ぜご飯、炊き込みごはん、味噌汁、スープ、カレーやシチュー、サラダ、パスタ、グラタン、ホイル焼き、オムレツ、チャーハンなどなど。
細かく刻んでシューマイや春巻き、肉まんなどの具材に。
豆腐や温野菜、グリルした肉や魚にたっぷりとかけて。納豆やお浸しと和えたり。
汁物、煮物、鍋物、炒め物などあらゆるきのこ料理に重宝します。
【塩蒸しきのこを使って♪】
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きのこと鮭の炊き込みご飯
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塩蒸しきのこと秋鮭の旨みがご飯に染み込み、香りと彩り豊かな秋の炊き込みご飯です♪
炊飯器にお米と具材、調味料を入れて炊くだけなのでとっても簡単にできますよ。
《材料》4人分
・米:2合
・水:360ml(2合分)
・塩蒸しきのこ:1カップ
・生鮭(切り身):2切れ
・酒:大さじ1(鮭に振りかける用)
〈A〉醤油:大さじ2
〈A〉酒:大さじ1
・昆布:5cm×10cm 1枚
・青じそ(細切り):適量
・白いりごま:適量
《作り方》
①塩蒸しきのこは軽く汁けをきります。鮭は骨を取り除き、酒をふりかけて5分程おいて水気を拭きます。
米は洗ってざるに上げ水気をきります。
②炊飯器に米、水、〈A〉を入れて軽く混ぜ合わせます。蒸しきのこ、昆布、鮭をのせて炊きます。
③炊き上がったら鮭の皮を取り除いて身をほぐし、全体をさっくりと混ぜ合わせます。
④器に盛って、白いりごまをふり、細切りした青じそを添えます。
〈メモ〉
*鮭を他の魚(鯖、秋刀魚、鯵など)や鶏肉にしてもいいですね。
*ひじきや油揚げ、ゴボウや人参、蓮根などの根菜類を加えるなど、お好みでアレンジしてみてください。
*最後にバターを加えるとコクがアップしてまた違った味わいになります。
【きのこの保存食②♪】
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きのこのオイル煮
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きのこをオイルでコトコト煮ると、中の水分が抜けて身が締まり、食感がよくなって風味も増します。
今回は5種類のきのこを使いましたが、お好きなきのこ3種類以上をミックスしてください。ミックスすることで風味に深みが出ます。
そのままでも美味しく、付け合わせにしたり、オイルごとお料理に使ったり、アレンジも自在です。
《材料》約600ml容量の保存容器1個分
・きのこ(しめじ・舞茸・えのきだけ・エリンギ・椎茸などお好みで):合わせて500g
・オリーブオイル:1/2カップ(100ml)
・にんにく:1かけ
・塩:小さじ1
《作り方》
①きのこはすべて紙タオルなどで汚れをはらいます。
しめじは、根元を切り落とし、小房に分けます。
舞茸は、根元を切り落とし、食べやすい大きさにほぐします。
えのきだけは、根元を切り落とし、3等分の長さに切ってほぐします。
しいたけは、石づきを切り落とし、3mm厚さに薄切りします。
エリンギは、大きいものは長さを半分に切り、食べやすい大きさに切ります。
にんにくは潰しておきます。
② 鍋にきのことにんにくを入れ、オリーブオイルと塩を加えてフタをし、弱めの中火にかけます。
③15分ほどしたら一度フタを開けてひと混ぜし、さらに20分ほど煮たら火を止めます。
〈メモ〉
*きのこの旨みとニンニクの香りが移ったオイルも調味料として活用できます。
*唐辛子を加えてピリ辛にしても使い勝手がいいですね。
〈食べ頃〉
作ってすぐ食べられますが、冷蔵庫でひと晩寝かせると味がなじんでより美味しくなります。
〈保存〉
冷蔵庫で1週間ほどが保存の目安です。
ジッパー付き保存袋などに入れて冷凍庫で3ヶ月ほど保存可。
〈応用メニュー〉
パスタ、ピラフ、ケチャップライス、スープ、サラダ、グラタン、ホイル焼き、オムレツなど
魚や肉料理、バンバーグなどのソースに加えたり、付け合わせにしたり。
炒め物、汁物、洋風ライスの具材に。豆腐、お浸し、納豆にも。
フードプロセッサーなどでペースト状にして、バゲットのパテ、シチューやカレーの隠し味に。牛乳でのばしてポタージュスープにもできます。
【きのこのオイル煮を使って♪】
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じゃがバターきのこのせ
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ホクホクのじゃがいも、バターときのこのオイル煮との相性抜群!!
秋の味覚を満喫できる一品です。
《材料》2人分
・じゃがいも:2個
・バター:20g
・きのこのオイル煮:適量
・パセリ(みじん切り):適量
・粗挽きブラックペッパー:適量
《作り方》
①じゃがいもは洗って半分に切り、皮ごと蒸し器に入れ、竹串がスッと通るまで強火で7〜8分蒸します。
②じゃがいもが蒸しあがったら、食べやすい大きさに切り、バターときのこのオイル煮をのせます。
③粗挽き黒こしょう、刻んだパセリを散らします。
【きのこの保存食③♪】
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ミックスきのこのなめたけ
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ご飯のお供やお酒の肴の定番、なめたけ♪
手作りすると簡単なのに感動の美味しさ!ご飯やお酒がすすみます!
えのきだけでつくるのが一般的ですが、ミックスきのこにしてきのこの旨味を存分に味わいます。
《材料》約400ml容量の保存容器1個分
・えのきだけ:200g
・しめじ:100g
・生しいたけ:4個
〈A〉醤油:大さじ3
〈A〉みりん:大さじ3
〈A〉酒:大さじ3
〈A〉砂糖:小さじ1
〈A〉だし汁: 1カップ
《作り方》
①きのこは紙タオルなどで汚れをはらいます。
えのきだけは、根元を切り落とし、3等分の長さに切ってほぐします。
しめじは、根元を切り落とし、小房に分けます。大きいものは半分の長さに切ります。
しいたけは、石づきを切り落とし、3mm厚さに薄切りします。
② 鍋に〈A〉と①を入れて中火にかけ、混ぜながら、汁けが少なくなるまで20〜30分ほど煮つめます。
粗熱が取れたら、汁ごと清潔な保存びんに入れます。
〈メモ〉
*えのきだけをメインにお好みのきのこを組み合わせてください。
*辛いのがお好きな方は、唐辛子、ショウガ、豆板醤、柚子こしょうなどを加えても。
〈食べ頃〉
つくってすぐ食べられます。
〈保存〉
冷蔵庫で1週間ほどが保存の目安です。
〈応用メニュー〉
まずは、そのままご飯のお供や大根おろしと和えておつまみに。
味噌汁やスープの具にも。大根おろしや茹で野菜などとの和え物。
チャーハン、焼きそば、うどん、そば。あんかけの具材。
コチュジャンとごま油を加えて韓国風にアレンジ。
【ミックスきのこのなめたけを使って♪】
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なめたけと豆腐のおろしあんかけスープ
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寒い季節にほっこりする、とろとろあんかけスープです。
ほんのり香る生姜がミックスきのこの旨みを引き立て、
大根おろしのあんが豆腐のふんわりとした食感によく合います。
《材料》2人分
・ミックスきのこのなめたけ:50g
・豆腐:200g
・大根:150g
・出汁:300ml
・生姜(すりおろし):小さじ1
・醤油:小さじ2
・水溶き片栗粉:大さじ1(片栗粉1:水2の割合)
・万能ネギ(小口切り):適量
《作り方》
①大根は皮をむいてすりおろします。豆腐は3cm角に切ります。
②鍋に出汁、①の大根おろし、醤油、すりおろし生姜、ミックスきのこのなめたけを入れて強火にかけ、沸騰したら豆腐を入れます。
③弱火にして水溶き片栗粉を入れ、とろみがついたら火を止めます。
④器に盛り、万能ねぎを散らします。
*水溶き片栗粉の量は、お好みのとろみになるよう調整してください。
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菌床栽培のもののきのこは一年中手に入りますが、秋から冬にかけてできるものが味がよいとされています
食物繊維やビタミンB類などが豊富で、腸内環境を整える働きや免疫力を高める働きがあり、スーパーフードともいわれるきのこ。
数種のきのこを合わせた保存食を常備しておくと、いつでも手軽にきのこパワーを取り入れられますね。
さらに、加えるだけで、お料理に旨みと深みをプラスして一段と美味しくしてくれます。
とても重宝する保存食なので、まとめてつくっていろいろなメニューに使ってみてくださいね♪
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