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【白露のレシピ】(9月8日~9月22日)新生姜の保存食
【季節のレシピ】
季節の恵みである旬の食材でつくる保存食や発酵食と日々のごはん。
自家製調味料や時々おやつも。
季節を感じて愉しみながらつくってみませんか。
ここでは、そんなすこやかなくらしをお手伝いするレシピをご紹介していきます。
※二十四節気「白露」についてはこちら。
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〈旬の食材「生姜」〉

生姜はショウガ科の多年草です。
原産地はインドからマレー半島にかけての南アジアといわれ、世界各地で薬や香辛料として使われています。
中国が最も多く生産されていますが、日本でも多く生産されています。
旬というのは収穫最盛期のことですが、実は露地ものの生姜の旬は9月~10月頃。
このころに採ってすぐに出荷される、色白のものは新生姜と言います。
この新生姜には2通りあるのをご存知でしたか?
1つは秋に根生姜の収穫後すぐに出荷される色白のもの。
そしてもう1つが甘酢漬けなどにされる夏のうちに早めに収穫され、赤い茎の部分が付いているものです。
この赤い部分が付いている新生姜は夏6月頃から8月くらいまで出回る夏が旬の生姜です。
通常「生姜」といわれているものは、地上の葉や茎が枯れはじめた頃根を掘り出し、これを貯蔵して出荷するので通年店頭に並んでいます。
「囲い生姜」「根生姜」「古根(ひね)生姜」「老成生姜」とも呼ばれています。
生姜はツンとした辛さと香りが特徴ですね。
香り成分はシネオールといい、疲労回復・夏バテ解消に役立ち、健胃・解毒・消炎作用もあると言われています。
辛み成分はジンゲロール・ショウガオールで、強い殺菌作用があり、料理においては、臭い消しや、脂の酸化防止効果などもあります。
鮨に欠かせないガリはこの殺菌作用を活かしたものですね。
また、ガン細胞の増殖を抑制する作用や発ガン物質が引き起こす遺伝子の突然変異を抑制する作用などもあると言われ、ガンの予防に大きな効果があるそうです。
そのほかにも、ショウガオールには血行を促進する作用や、体を温める働きがあるといわれているほか、新陳代謝を活発にして、発汗作用を高める働きがあるそうです。
また生のまま摂取するよりも乾燥させたものや、加熱調理することでより身体を温める効果が大きくなるとされています。
これは生姜に含まれるジンゲロールという成分が加熱する事でショウガオールに変化するからなのです。
温め効果を求めるのであれば生姜湯や味噌汁など加熱する料理などに使うと良いでしょう。
選ぶ時は、古根生姜(老成生姜)の場合は、表面に艶と張りがあり、出来るだけふっくらと大きな塊の物を選びます。
小さく細い物は繊維質が多い上に、皮を剥くので使える部分が少なくなってしまいます。
新生姜の場合は、色は白っぽく艶があり、茎の切り口付近が綺麗な紅色の物を選びます。
生姜を買ってもなかなか使いきれず半分くらい傷んで捨ててしまうということはありませんか?
数日で使い切るのであればラップをして冷蔵庫に入れておいても大丈夫ですが、長期間保存する場合は瓶やタッパーに水を張り、そこに使いかけの生姜を入れて蓋をしておくと数日おきに水を換えるだけで1カ月程は大丈夫です。
更に長期に持たせるなら、水を焼酎に代えれば半年くらいは持つそうです。
生姜を冷凍する場合、塊のまま冷凍してしまうと解凍の手間など調理する際に使いにくいので、すりおろすか、細切りやみじん切りに刻んで小分けした物をラップで包み冷凍しておくと便利ですね。
今回はノブさんおすすめの「新生姜」を使った保存食レシピを2品と、それぞれのアレンジレシピをご紹介します。
瑞々しく香り高い新生姜が出回ったら、その風味を保存食として閉じ込めて、いろいろな料理のアクセントとして使いましょう。
定番の甘酢漬けや紅生姜のほかにも、違った漬け方で新生姜の魅力を楽しんでみませんか?


【新生姜の保存食①♪】
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新生姜のスパイスはちみつ漬け
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古くから健康を助ける食材として重宝されてきている「生姜」と「はちみつ」のコラボ「生姜のはちみつ漬け」。
生姜をはちみつに漬け込むことにより、乾燥による酸化を防ぎ、風味を保つことができます。
漬けた生姜をそのまま食べるのはもちろん、生姜の成分がしみ出たはちみつも一緒に、ドリンクやデザート、お料理にも手軽に使うことができます。
簡単に作れるので、ぜひ常備しておきたい生姜の万能保存食です。


《材料》450〜500ml容量の保存容器1個分
・新生姜:200g
・はちみつ:約200g(生姜全体が浸かるくらい)
〈A〉カルダモン(ホール):3〜4粒(叩いて割って中の粒を出す)
〈A〉クローブ(ホール):4〜5枚
〈A〉ブラックペッパー(ホール):5〜6粒
(〈A〉のスパイス類は全てティーパックに入れておきます。)
《作り方》
①新生姜は洗って皮の茶色い部分だけをスプーンでこそげ取り、なるべく断面が同じ大きさになるように2㎜厚さの薄切りにします。切ったらすぐに水に入れて15分間ほどさらします。ザルにあげて水けをきります。
② 鍋にたっぷりの湯を沸かし、新生姜を入れ、30秒間ほどサッと茹でて水にとります。
粗熱が取れたらザルにあげて、ペーパータオルなどでよく水けを拭きます。
※水分が残っていると傷みやすいので、しっかりと水けをきるのがポイント。

③ 清潔な保存容器にティーパックに入れた〈A〉のスパイス類と新生姜を入れ、はちみつを加えて混ぜます。
生姜全体が浸かるくらいまではちみつが入っていればOK。生姜が出てしまうようなら足してください。
フタをして冷蔵庫で半日(12時間)以上漬けます。
〈メモ〉
お好みでシナモンスティック、レモンの輪切り、赤唐辛子などを加えても。
漬けたはちみつは、ジンジャーシロップの濃縮タイプといった感じで使えます。
〈食べ頃〉
半日(約12時間)おいて生姜にツヤが出てきたら完成です。
1週間ほど漬け込むと味がなじんで、生姜もはちみつもより美味しくなります。
〈保存〉
冷蔵庫で1ヶ月ほどが保存の目安です。
生姜がはちみつにしっかりと浸かっている状態であれば、そのまま常温でも保管ができますが、使ううちに生姜がはちみつから出るようになったら必ず冷蔵で保存しましょう。
〈応用メニュー〉
◎ドリンクに
炭酸やお水で割って冷たいドリンクに、お湯で割ってホットジンジャーに。
レモンスライスを加えて生姜はちみつレモン。
紅茶や甘酒に加えたり、ジンジャースパイスチャイ・ホットジンジャーラテにしたり。
ウイスキーや焼酎を加えて炭酸水や水、お湯で割って、自家製ジンジャーハイボールやはちみつ生姜割りにするなどお酒に入れても美味しいです。
◎デザートに
ヨーグルトやアイス、寒天などにかける。漬けた生姜を刻んでのせるとアクセントに。
みじん切りにした漬けた生姜とはちみつをクッキーやクラッカー、マフィン・パン・ケーキなどに加える。
ジャムのようにクラッカーやパンにつける。
◎料理に
お酢と合わせると甘酢漬けのように、味噌と合わせると甘辛生姜味噌になります。
豚の生姜焼き、豚の角煮、チャーシューのタレ、そぼろ、牛肉や魚の煮物、マリネ、混ぜご飯、鶏肉のはちみつ煮、鶏肉や魚の照り焼きなど。カレーの隠し味にも。
【新生姜のスパイスはちみつ漬けを使って♪】
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鶏手羽元とさつまいもの生姜はちみつ煮
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はちみつのまろやかな甘味とピリリとした生姜の風味をきかせたほっとする秋の煮物です。
生姜のはちみつ漬けを使えば、お肉もやわらかく仕上がり、手間が省けて便利。
さつまいもの甘さと生姜、はちみつ、レモンの相性も抜群。ほんのりスパイスもきいています。


《材料》4人分
・鶏手羽元:8本
・レモン:1個分
・さつまいも:小さめ2本
・インゲン:8本(約60g)
・片栗粉:大さじ2
・塩:少々
・こしょう:少々
〈A〉
・新生姜のスパイスはちみつ漬けの生姜:50g
・新生姜のスパイスはちみつ漬けのはちみつ:大さじ3〜4
・醤油:大さじ3
・水:300ml
・油:大さじ1
《作り方》
①鶏手羽元は、余分な皮や脂肪を除き、皮を下にして置いて骨の両側に切り込みを入れておきます。塩・こしょうをし軽く揉み込み、片栗粉を薄くまぶします。
さつまいもは皮ごときれいに水洗いし、幅1cmの輪切りにして水にさらします。
レモンは皮ごと水洗いして半分を輪切りします(残り半分は絞ります)。
②鍋に油を入れて中火で熱し、鶏手羽元の表面に薄く焼き色がつくまで焼き、さつまいも、レモンの輪切りを並べ入れ、レモン汁、〈A〉を加えて中火にかけます。
煮立ったら、落とし蓋をして少し火を弱め、煮汁が半量になるまで20分ほど煮込みます。
時々お鍋をゆすりながら、煮汁がいきわたるように煮てください。
③さつまいもがやわらかくなったら、いんげんを加え1分ほど加熱し、全体をからめて火を止めます。
フタをしてそのまま20分ほど置くとしっとりと仕上がります。
〈メモ〉
・鶏手羽元は、骨の両側に切り込みを入れておくと、煮上がった時に肉がホロホロと骨から離れやすくなります。
・最後にバターを加えるとコクがアップします。

【新生姜のスパイスはちみつ漬けを使って♪】
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ジンジャースパイスチャイ
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豆乳をベースに、キリリとスパイスがきいたお手軽チャイです。

《材料》2杯分
・新生姜のスパイスはちみつ漬けのはちみつ:大さじ3
・新生姜のスパイスはちみつ漬けの生姜:適量
・水:100ml
・豆乳:150ml
・紅茶の茶葉:大さじ2
・シナモンパウダー:小さじ1
《作り方》
①小鍋に水を入れて中火にかけ、沸騰したら紅茶の茶葉、シナモンパウダーを入れて弱火で2分ほど煮ます。
②新生姜のスパイスはちみつ漬けのはちみつと生姜、豆乳を加えて中火にし、沸騰直前まで温めて火を止めます。