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【ことごと綴り】第20回《春分》3月21日(~4月4日頃まで)

今回は「春分(しゅんぶん)」のことごとを綴ってみたいと思います。




《二十四節気》のひとつ春分(しゅんぶん)は春の節気、立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨の4番目の節気です。

春分とは、太陽が真東から昇り、真西に沈む日のこと。

昼と夜が同じ長さになる春分の時期を二十四節気の大きな節目のひとつとします。

これは、秋分も同じです。


この頃には雨と晴れの日を繰り返し、一雨ごとに暖かさを実感できますが、急に寒気団が南下して真冬の寒さに戻ることがあって、寒の戻りと呼ばれます。


春分の日を中日にして、前後3日の7日間が、春のお彼岸です。



極楽浄土は西にあると信じていた先人たちは、太陽が真西に沈むこの日が極楽浄土に最も近づける日と考えたようで、彼岸に仏事を行うようになったとか。


「暑さ寒さも彼岸まで」といわれる通り、ようやく暖かくて心地の良い季節の始まりですね。


天文学的には、春分から夏至の前日までが「春」となります。


最近は、早い時期から暑くなって夏のような日がやってくるので、この春の陽気を五感で感じながら味わいましょう。




【春分の七十二候】



この頃には昼の時間が少しずつ伸び、多くの小鳥たちが繁殖期を迎え、雀が枯草や毛を集めて巣を作り始めます。


うららかな春の陽気に誘われて、あちらこちらで桜の開花が始まるこの時季、桜前線の北上を日本中が待ち望む、お花見の季節の到来です。


そして、春の訪れを告げる雷が鳴り始める頃がやってきます。

雷といえば夏に多いものですが春の雷はひと鳴りふた鳴りで止むことが多く、夏の雷雨とは違うようです。

その分大きな音に感じられて印象深くなるのでしょうか。


天候の状況は不安定な季節ですが、雀が巣を作り、桜が咲き始め、遠くの空では雷が鳴り始める。と、毎年順序よく流れていく季節は、「大丈夫、大丈夫だよ。」とどこか急いた気持ちを安心させてくれるような気がしませんか。




・初候:雀始巣(すずめはじめてすくう) 3月21日〜3月25日頃


・次候:桜始開(さくらはじめてひらく) 3月26日〜3月30日頃


・末候:雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす) 3月31日〜4月4日頃




(※七十二候の詳細はこちらをご覧ください。)





【旬の食材レシピ】


〈旬の食材Pick up①アスパラガス〉


アスパラガスは地中海東部が原産とされるユリ科の植物で、地上に伸びてくる新芽の茎を食用とします。


日本にアスパラガスが導入された江戸時代には、はじめは観賞用として扱われていたのだそうですよ。

本格的に栽培されるようになったのは大正時代に入ってから。

昭和になりようやく一般家庭の食卓にもあがるようになったといわれています。


よく見かけるグリーンアスパラガスは土から芽を出したままにして日光に当てることで葉緑素が作られ、緑色に育ちます。 



最近では西洋の定番、白い「ホワイトアスパラガス」も人気が高まっています。

これはグリーンアスパラガスと同じ品種を、芽が出る春先に土を寄せて光を遮断して栽培することで真っ白に育てています。(軟白栽培)

グリーンの方はやや青臭みがありますが、カロテンやビタミンC、E、B群が多い緑黄色野菜です。

ホワイトアスパラガスは、軟白栽培というだけに、食感が柔らかく、ほんのりと甘みがあって、青臭さはありません。その分栄養面ではグリーンのものより劣ります。

栽培に手間がかかる上、傷みやすいので流通量が少なく値が高いです。


国産のホワイトアスパラガスは北海道産がほとんどで、味が濃くうまみが強いのが特徴です。


最近では紫色も栽培されています。

抗酸化作用のあるアントシアニンを含み、甘みが強く、軟らかいので生食にも向いています。


アスパラガスは春先から芽が出始め、秋まで収穫できます。

最もおいしい時期はやはり露地栽培で春から初夏にかけての旬に採れたてのものであることは言うまでもありません。

グリーンアスパラガスの旬は4〜6月頃で、路地栽培のものよりもハウス栽培の方が先に旬を迎えます。

ホワイトアスパラガスは旬がより短く、5月下旬から6月にかけての約半月間しか出回りません。


店頭で選ぶ際は、茎がまっすぐで、穂先がしっかり締っているものを選びましょう。

色も鮮やかな黄緑色の物が柔らかく美味しいです。


根もとのあたりまで張りがあり、切り口がみずみずしく乾燥していないかどうかも、新鮮なアスパラガスを見分けるポイントです。


鮮度が落ちやすいので、買ったら、すぐに調理をするのがおすすめです。

節々にあるハカマや、固い根元近くの皮は、ピーラーなどで剥いておくと美しく口当たりもよく仕上がります。

茎の根元の方を持ってポキッと折れるところが、筋が少ない部分との目安になります。


茹でる時は、切らずに長いまま茹でることで、うま味や栄養分の流出を減らせます。少なめの湯に塩を入れて数十秒ほど蒸すと、さわやかな香りや自然な甘みを堪能できます。


保存する場合は、葉物などと同様、水分蒸発を防ぐため、キッチンペーパーなどで包んで、袋に入れるかラップで包むかして、野菜室にできるだけ立てた状態で保存します。


アスパラガスを冷凍保存する場合は、生のまま冷凍する方法と茹でてから冷凍する方法があります。

生のまま冷凍する場合は、下処理後、使いやすい大きさにカットして冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫で保存します。

茹でてから冷凍する場合は、下処理後、塩を加えた湯で1分ほど茹でた後、適当な長さに切り、ステンレスなどのバットに広げて一気に凍らせ、凍ってから保存バッグに移して冷凍しておきます。


どちらも保存期間の目安は1ヶ月ほどで、凍ったまま料理に使えます。





〈旬の食材Pick up②三つ葉〉


三つ葉はセリ科ミツバ属の多年草で、数少ない日本原産の野菜です。

古くから春を告げる野菜として愛されてきました。


三つ葉は、茎と葉が食用とされるさわやかな香りが特徴の香味野菜(ハーブ)です。

その名前の通り、葉柄の先には三枚の葉が付いています。

「せり三つ葉」とも呼ばれ、各地の山野にも沢山自生しており、山蕗やワラビなどと共に山菜採りで収穫できます。


野生のものは、一般的に、ハウス栽培のものよりも大きく香りも強いようです。


出回っている三つ葉は3種類あります。


①「糸三つ葉」


②「根三つ葉 」


③「切り三つ葉」


それぞれの特徴を見ていきましょう。


①「糸三つ葉」

一般的に店頭でよく見かける三つ葉です。

ハウスで水耕栽培されているもので、年中出まわっており、特に旬はありません。

糸三つ葉は、青三つ葉とも呼ばれ、根元まで緑色です。

多少形が不揃いですが、香りと味がよいのが特徴です。


②「根三つ葉 」

細いですが、文字通り根が付いたまま収穫、出荷されるものです。

茎の下部が白く、風味が強めで、根も食べることができます。

春から夏にかけて天然物も出回ります。

露地栽培物の収穫は若く柔らかい葉茎を伸ばす3月頃から4月までとなります。


この時期のものは香りがよく、シャキシャキとした食感が楽しめます。


一般的な糸三つ葉に比べ茎が白くて太く、根が細いゴボウのようにしっかりとしています。


これは栽培方法によるもので、6月頃に種を撒いてある程度成長させ、冬に地上部の葉が枯れると根元に土寄せして根元を遮光した状態で軟白栽培し越冬させます。

2~3月にかけてビニールなどのトンネルで覆って伸びてくる新芽を寒さから守り春に根付きのまま収穫します。


しっかりとした茎や根は料理にした時、心地よい食感となります。

糸三つ葉とは違い、風味付けにちょっと添えるといった使い方よりも、お浸しや和え物、煮浸しなど、三つ葉そのものを食べるような料理が多いようです。

鍋料理にも使え、根の部分はキンピラなどの炒め物に使うと歯ざわりがよく美味しいです。


各地の山野に自生しているので旬の時期に採って食べるのもいいかもしれません。

旬の時期しか味わえないからこそ、ありがたみも一層感じますね。



③「切り三つ葉」

光を当てずに軟化栽培した三つ葉の根元を切ったもので、関東では雑煮などによく使われます。


茎がやや太く、「葉セロリ」に似ています。

根元で切られ、茎から上の部分を束ねて出荷されています。

主に関東を中心に出回っていて関西ではほとんど見かけないようです。

秋から早春に需要が多く、正月料理にも使われます。


三つ葉の中でも、とくにビタミンのバランスが優れておりβカロテンなど比較的栄養が豊富です。



どの三つ葉も調理する際は、香りを残すため加熱はひかえるようにします。

吸い物や茶碗蒸しなどでも、最後に加えましょう。


三つ葉の爽やかな香りには、クリプトテーネンやミツバエンという成分が含まれており、食欲増進や消化を促したり、更には神経を安定させ、イライラを解消したりする効果もあるといわれています。


店頭で選ぶ際は、緑色が鮮やかで、色が濃いもの、葉先までいきいきとしたものを選びましょう。

鮮度が落ちるに従い葉が黄色くなってきます。

茎がみずみずしいものが新鮮です。


日持ちしないので早めに使い切りましょう。


濡らした新聞紙かキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて野菜室で保存します。

香りは時間と共に薄れていくので、早めに食べ切りましょう。

また、湿らせたキッチンペーパーを敷いた保存容器に入れておくという方法もあります。



三つ葉は、日本のハーブといってもよい野菜です。

この爽やかな香りや食感を活かしたサラダや魚料理、お浸しやあえ物などによく使われます。


ちなみに、根の付いている「根三つ葉」と「糸三つ葉」は、根株を土に植えると、葉が再生し、植えて数週間で糸ミツバに育って食べられるそうですよ!

自分で育てると、必要な分だけカットして、新鮮なうちにいただけるのが魅力的ですね。




〈旬の食材Pick up③わらび・ぜんまい〉

↑わらび


↑ぜんまい



日本の代表的な山菜であるわらびとぜんまい。

この2つ、とてもよく似ていますよね。 「実は同じものなんじゃないの?」なんて思っていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 同じシダ植物ですが わらびはコバノイシカグマ科 ぜんまいはゼンマイ科です。 わらびとぜんまいは形が似ているだけで、味も山で採れる場所も違うんですよ。


例えば、わらびは日当たりの良いところに群生しています。 対して、ぜんまいは水気の多いところに生えているのです。


それぞれに見ていきましょう。



【わらび】


わらびはシダ類の植物で日本全国に自生している、いわゆる山菜の一種です。

若芽を山菜として食用にします。


また、わらび(蕨)の根には澱粉(でんぷん)が多く含まれており、この澱粉からわらび餅のもととなるわらび粉が作られます。


全国で採れる為、地方により時期に開きがありますが、九州の3月中旬頃に始まり4月中旬から5月の連休辺りに本州で旬を迎え、更に6月初旬位になると東北など北の地方が旬を迎えます。


わらびは数ある山菜の中でも特に長期間採取が可能なもののひとつで、遅く芽吹いたものであれば7月くらいでも採ることができる場合もあります。


まさに自然の中の春だけに楽しめる季節感あふれる食材の1つです。


わらびは頭を下げてお辞儀をしているような形で生えてきますが、長さが15~20cmぐらいになった頃が食べ頃。


美味しく食べるためには、柔らかいものを選びます。

色は、緑色のもの、紫がかったもの、黒っぽい紫色のものもあります。


穂先が上を向く前の丸くなった若芽が巻き込んでいるものが、柔らかで美味だそうです。穂先が上を向き、まっすぐに伸びたものは筋張って硬くなり、味が落ちるので注意を。


わらびは森の中ではなく、比較的日当たりの良い雑木林の縁や草原に生えます。

前の年に生えていたわらびが枯れた葉が沢山残っているような場所がポイントだそうですよ!

逆にこの枯葉が無い場所を探してもワラビは生えてこないのだそうです。


採るのは先がまだ丸く、開いていないものです。

見つけたら、なるべく根もと付近から手で折りますが、小気味よくポキッと折れるところから上を採取します。

固くて折れないものは上の方を折ってみてください。


※私有地や許可のないエリアでの山菜の採取は控えましょう。



わらびには特筆するほど多く含まれている栄養成分はありませんが、カリウムなどのミネラル、そしてビタミンA、ビタミンB群、ビタミンE、ビタミンKなどが含まれます。


わらびは生で食べることはできません。

アク抜きの工程を踏まなければ食べることはできないので、その少ない栄養素も、茹でる過程において水溶性のものは失われてしまいます。


栄養を摂るために食べるというよりは、旬を楽しむ、食生活を豊かにするといった趣で頂くのがいいですね。


わらびは十分にアク抜きをしないと、強い毒性のある成分も含まれており、これを大量に摂取すると大量出血症状を起こし、更に骨髄を壊して死に至る事もあるのでご注意を。


とはいっても、もちろんアクをしっかりと抜いておけば大丈夫ですので、安心して楽しみましょう。


店頭で選ぶ際には、穂先が下を向き、開いていないもの、産毛がたくさん生えているもの、切り口が変色していないものを選びます。

生長するにつれ、穂先は上を向き開いてくるので、そうなる前のものが美味しいです。

わらびの表面には産毛が生えています。これが新鮮さの目安にもなります。

切り口が干からびて変色しているものは、時間が経ってアクも強くなっていると思われますので注意しましょう。

長過ぎるものも生長が進んでいて筋張っている可能性も考えられますので、避けた方が良いかもしれません。


わらびは採取してから時間が経つと硬くなってしまうので、採ったその日のうちにアク抜きをする必要があります。

(*アク抜きの方法は、下記わらびの保存食レシピをご参照ください。)



【ぜんまい】


ぜんまいはゼンマイ科ゼンマイ属のシダ植物です。

日本には北海道から沖縄に至るまで全国の野山に自生していて、わらびと並び山菜として古くから親しまれてきた食材です。


山から平地までの土手や草地などに群生します。

石垣のようなところに生えている事が多く、昔は棚田の石垣にびっしりと生えていたようです。


新鮮なものには産毛がたくさんついています。

幼葉がワタ状の繊維で覆われているのが大きな特徴です。

生長するにしたがいこの綿毛が落ち、青い葉が広がり始めます。

食用とするのは、この綿毛が残っている若い芽です。


土から顔を出して10~20㎝ほどの長さになった新芽が食べごろです。

茎は緑色で、太くて短く、葉の部分の広がりがなく、首は上を向く前くらいのものがやわらかいです。


さらに、茎が太いものは食べ応えや食感もよく、赤っぽい色合いのものが最もおいしいのだそうですよ。


また、ぜんまいには雄雌があり、「男ぜんまい」と「女ぜんまい」と呼ばれています。


「女ぜんまい」は茎がやや太めで巻いている葉の表面がつるっとしていて少なめです。

一方「男ぜんまい」は巻いている葉の部分が膨らんでいて葉の表面がざらついています。

これは胞子を飛ばすためだそうです。


食べて美味しいのは「女ぜんまい」の方で、「男ぜんまい」は食べられない訳ではありませんが、やや固く味が落ちるため採らない方も多いようです。


ただ、女ぜんまいも全て収穫してしまうと子孫が残らないので採りきらないで、きちんと残すようにしましょう。


※私有地や許可のないエリアでの山菜の採取は控えましょう。



全国で採れる為、地方により時期に開きがありますが、九州の3月中旬頃に始まり4月中旬から5月の連休辺りに本州で旬を迎え、更に6月初旬位になると東北など北の地方が旬を迎えます。


生えている場所は微妙に違いますが、わらびとほぼ同じ時期に生えます。



ぜんまいには豊富な不溶性食物繊維が沢山含まれています。

不溶性食物繊維は、胃や腸の中で水分を吸収して大きく膨らみ、それによって腸の動きを活発にさせる働きがあるとともに、身体に有害な物質を吸着する性質があり、一緒に便として排出する働きがあるとされています。


ビタミンA・Cが豊富で、干したものは生に比べてビタミン類は減りますが、たんぱく質とカリウムが増えます。

干しぜんまいには、生の6~7倍という豊富なカリウムが含まれています。




【旬の食材レシピ】


今回ご紹介する、ノブさんおすすめの旬の食材を使ったレシピは、

「わらび」の保存食と、そのアレンジメニューです!


春の日差しをたっぷり浴びて旬を迎える山菜、わらび。

シャキシャキとした食感と滋味あふれる味わいで、さまざまな料理に使いたい食材ですね。

わらびは山菜のなかでも特にアクが強く、しっかりアク抜きをする必要があります。

そんなわらびの手軽なアク抜き方法と合わせて、万能な保存食である水煮の作り方、そして春の食卓を豊かにするアレンジレシピをご紹介します。



わらびの保存食とアレンジレシピ〉


『わらびの水煮』


アレンジ

*わらびと筍の炊き込みごはん

*わらびと人参のナムル

*わらびと豆腐のかきたまスープ


*・・・*・・・*・・・*


【わらびの保存食♪】