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執筆者の写真morinone

【ことごと綴り】《水無月(みなづき)》6月

今回は、水無月の「ならわし」について綴っていきたいと思います。


先人たちから受け継がれ続けてきた日本のならわしについて想いを巡らせて、これからも暮らしの中にゆったりと無理なく、丁寧に受け継いでいくことができたら嬉しいです。




【水無月(みなづき)】


現在の6月は梅雨の時季ですが、旧暦の6月は梅雨明けの酷暑の最中だったので、厳しい日照りが続き、水も枯れ尽きる様子から水無月と呼ばれるようになったといわれています。


この時期は田んぼに水が張られていることから、「水の月」、「水張月(みずはりづき)」が転じて、「水無月」といわれるという説や、田植え仕事が終わった「皆仕尽(みなしつき)」という農作業からくるいわれという説もあるようです。


他にも、「焦月(しょうげつ)」「炎陽(えんよう)」「極暑(ごくしょ)」、反対に「涼暮月(すずくれづき)」「風待月(かぜまちづき)」「松風月(まつかぜつき)」など、様々な呼び名があります。









生き物たちに恵みをもたらす長雨がふりそそぎ、草木はどんどん色濃くなってゆきます。


この頃には、梅雨入り宣言が届き始め、日々の暮らしの中では、湿気や雨とのせめぎ合いが少し煩わしくもありますね。


でも、水不足になりがちな真夏の前に大地を潤してくれる恵みの雨でもあります。


小さい頃、新しい傘や長靴を買ってもらうと、嬉しくて雨が待ち遠しかったことはありませんか?

大人になっても、好きな柄の傘や新しいレインシューズなどは気分があがりますね。


お気に入りの雨対策グッズを見つけてみたり、水滴がしたたる紫陽花の姿を間近で愛でてみたり、香り高い梅しごとをしたり、春と夏をつなぐこの季節ならではの感覚も楽しんでいきましょう!












■6月1日

【衣替え】


制服や冬服を夏服へと切り替える日です。


もともとは中国から伝わった宮中行事の「更衣(こうい)」を起源としています。


平安時代はこの日を境に夏装束へと切り替え、日々の生活で積もった穢れを祓う意味合いで調度品も季節に応じたしつらえに替えていたそうです。


江戸時代には武士の衣替えはなんと年に4回に定められ、このしきたりが庶民にも広がり、年中行事として定着しました。



その後、明治時代には洋装となり、再び年2回に戻り、政府は夏服への切り替えを6月1日に、冬服への切り替えを10月1日と定め、それが今日まで続いているのです。


歴史ある暮らしの行事なのだと驚いてしまいますね。


現在では、衣替えのタイミングはその家庭ごとに様々ではありますが、このようなならわしにのっとって、夏用の衣類やインテリアアイテムを新調したり、不用品を処分したりして、身に付けるもの、生活空間をリフレッシュするタイミングにするのもいいですし、この時期は梅雨に備えて、竹炭などを使って湿気対策をしておくのもいいですね。


ここのところ、地球温暖化で季節ごとの気温などに変化が生じてきて、世界的にも異変がおきているニュースを多く目にするようになりました。


将来、衣替えというならわしが体感できないなんてことにならないよう、季節を失うことのないよう、ひとりひとりが日々心掛けることも必要なことになってきましたね。


■6月6日


芒種(ぼうしゅ)~二十四節気



(※「芒種」について詳しくはこちら)





■6月11日  

【入梅(にゅうばい)】


雑節のひとつです。


5月末から7月中旬にかけて梅雨の時季となりますが、梅雨に入る最初の日を入梅といいます。

梅の実が黄色く色づいて熟す頃に雨期に入る頃を教えてくれて、その日から約30日間が梅雨の期間になります。

「梅雨」という呼び名はここからきたとされています。



実際の梅雨入りは気象庁の「梅雨入り宣言」が目安となっていますが、暦上ではこの日から梅雨が始まるとされているのですね。


農作業をする方にとって梅雨時期を知る事はとても重要でしたが、現在のように気象情報は発達していなかったので目安として必要だったと考えられています。


■6月21日  

【夏至(げし)~二十四節気】



(※「夏至」について詳しくはこちら)





■6月30日  

【夏越の祓(なごしのはらえ)】


6月30日は1年の折り返し地点ですね。


半年間についた罪や穢れを祓って、後の半年の無病息災を祈るために、6月30日と12月31日に「大祓(おおはらえ)」という神事が全国各地の神社で行われます。


6月の大祓を「夏越の祓」、12月に行われる大祓を「年越しの祓」といいます。


夏越の祓では、「人形(ひとがた)流し」という厄落としが行われます。

人形(形代)に身の穢れを移して、大祓に神社で祓い清めてもうらうという風習です。





【茅(かや)の輪くぐり】


夏越の祓では、茅を束ねた輪が神社の社前に設けられ、この輪をくぐることで身が清められて、疫病や罪が祓われるとされています。



この、輪をくぐる風習を茅の輪くぐりといいます。


「左回り→右回り→左回り→正面からくぐる」と八の字に輪をくぐると良いとされているようですが、地方によって異なる場合もあるそうです。




6月下旬~8月上旬 

【暑気払い】


厳しい暑さが続く時期に、冷たい食べ物や飲み物などで体に溜まった熱を打ち払って夏を乗り越えようとする催しのことを暑気払いといいます。


決まった形式はありませんが、納涼会と同義語で使われることもあります。


熱を下げる効果のある夏野菜や、漢方や薬膳などで体の熱を下げたり、薬湯に入って体を整えたりします。


冷やした甘酒を飲むこともおすすめ。

甘酒は、飲む点滴と呼ばれるほど栄養価があり、夏バテ防止にもいいとされています。




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