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  • 執筆者の写真morinone

【季節つぶやき事典】第12回《秋分》

新暦の9月22日から(10月7日まで)入る季節『秋分』についてのお話しをしましょう。



《二十四節気》のひとつ秋分(しゅうぶん)は秋の節気、立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降の4番目の節気となります。

春分・秋分の3日前から7日間をそれぞれ春の彼岸、秋の彼岸とするので春分・秋分は「彼岸の中日」といいます。

彼岸は日本独自の行事で国民の祝日のひとつです。

太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになるのが春分と秋分です。

これから段々と日が短くなり、秋が深まっていきます。


夜が長くなり秋の趣も色濃くなっていきますので、読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋、食欲の秋など思い思いに心豊かな時間をお過ごしください。

厳しかった残暑に目処がつくため「暑さ寒さも彼岸まで」と言われ、この日を境に寒さが増してくる頃でもあります。

ご自身の体調の変化を細かくチェックしてあげてくださいね。

秋分の《七十二候》は以下です。

初候:雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)9月22日〜9月27日頃

次候:蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)  9月28日〜10月2日頃

末候:水始涸(みずはじめてかるる) 10月3日〜10月7日頃

ひとつずつ見ていきましょう。

《雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)》




春分から夏の間鳴り響いた雷が鳴りをひそめる頃です。

入道雲から鰯雲(いわしぐも)や鱗雲(うろこぐも)へと変わり、秋の空は高くなっていきます。

鰯雲、鱗雲、鯖雲(さばぐも)は、どれも高度5000~15000キロ程度にできる巻積雲(けんせきうん)の俗称で、小さなかたまりがたくさん集まっている雲のこと。

ちなみに、ひつじ雲は、高度が低めの2000~7000キロ程度にできる高積雲(こうせきうん)の俗称だそうです。

ほぼ年中見られる雲だそうですが、秋は空が澄みわたって上空まで見通しが良いため、高積雲や巻積雲が見えやすくなるようです。また、台風や移動性低気圧が多く近づく秋に多く見られることからも、秋の季語になっています。



これらの雲は、低気圧や前線が近づいているときに現れやすいので、雨が近づいているということが読み取れるのだとか。

先人たちは「鱗雲(鰯雲)が出たら3日のうちに雨」、「ひつじ雲が出ると翌日雨」などとお天気を読んでいたそうですよ。

《蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)》



虫たちが土にもぐり、入口の戸をふさぐ頃。

夏が終わり、外で活動していた虫たちは寒さの到来を察知して、土の中へ巣ごもりの仕度を始めます。

蝶の幼虫はさなぎになって寒さに備え、クワガタやテントウ虫は成虫のまま木の根元や土の中にもぐり静かに春を待つそうです。 そして来年の春、啓蟄 (けいちつ)の頃になると再び姿を現します。



水始涸(みずはじめてかるる)



田から水を抜き、稲刈りに取りかかる頃。

夏に花を咲かせ、たわわに実った穂が垂れ下がるこの時季は、畦の水口を切って田を乾かし、いよいよ稲刈りが始まります。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」 これは、稲が実を熟すほど穂が垂れ下がるように、人も学問や徳が深まるにつれ謙虚になることを表した諺ですね。

先人たちは自然の中に人の在り方を見出すほど、生き物の様子を良く観ていたのでしょう。

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