新暦の11月22から(12月5日まで)入る季節『小雪』についてのお話しをしましょう。
《二十四節気》のひとつ小雪(小雪)は冬の節気、立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒の2番目の節気となります。
寒さが進み、色づいていた紅葉が落ち始め、山々ではチラチラと雪が降り始める頃です。陽射しが弱くなり紅葉が散り始めるころで、いちょうや柑橘類は黄色く色づいてきます。
ただ、まだまだ寒さも序盤といったところでしょうか。雪もまだそれほど多くはありません。小雪は冬の入り口とも言えます。
ちなみに、大雪(おおゆき)、小雪(こゆき)の小雪とは、数時間降り続いても、1時間あたりの降水量が1mmに満たない雪のことを言うそうです。
本格的な冬はすぐそこですので冬支度、お歳暮の準備をし始める目安にするといいですね。
小雪の《七十二候》は以下です。
初候:虹蔵不見(にじかくれてみえず) 11月22日〜11月26日頃
次候:朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)11月27日〜12月1日頃
末候:橘始黄(たちばなはじめてきばむ) 12月2日〜12月6日頃
ひとつずつ見ていきましょう。
《虹蔵不見(にじかくれてみえず)》
虹を見かけることが少なくなる頃です。
太陽の角度が低くなることで陽射しが弱まり、曇り空が多くなるのでくっきりとした虹はしばらくおあずけになります。
虹は空気中の水滴に太陽の光があたって反射してできるものなので、空気が乾燥し、陽の光が弱まるこの時季は、虹が現われる条件が少なくなるというわけです。
虹が7色に見えるのは、水滴中を通った太陽光が7色に分解されているからです。でも、実際に虹を見てみると、色がはっきりとわかれているわけではなく、境界は非常に曖昧なものですよね。
国によっては虹が6色や5色だとする場合もあるそうで、厳密に決まっているものではないようです。
みなさんは、虹の中にいくつの色を見つけられますか?
今回の候「虹蔵不見」は、清明(せいめい)の末侯「虹始見 (にじはじめてあらわる)」と対になった候です。 次に虹が綺麗に見られ始めるのは4月の中頃ということですね。
《朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)》
冷たい北風が木々の葉を払い落す頃です。
朔風(さくふう)の朔とは、北の意味で木枯らしをさします。
日本海を渡る時に水分を含んだ北風は、山地にぶつかり日本海側では多くの雪を降らせます。そして、山を越えた太平洋側では乾燥した風になり、「空っ風」と呼ばれます。
「空っ風」は、主に山を越えて吹きつける下降気流のことを指します。 山を越える際に温度、気圧ともに下がることで空気中の水蒸気が雨や雪となって山に降るため、山を越えてきた風は乾燥した状態となるという訳です。
葉を落としてしまった木々が幹と枝だけになった冬木立(ふゆこだち)になると寒さを感じる冬景色になりますね。
でも、草木は一見枯れてしまったようにも見えますが、木の枝には小さな芽が出始めているということに気づくと、ちゃんと春に向かって生きているのだなぁ、と季節の巡りを感じてしまいますね。
《橘始黄(たちばなはじめてきばむ)》
橘の実がだんだん黄色くなり始める頃。
橘とは、古くから日本に自生していた「ヤマトタチバナ」のことです。
古くは柑橘類を総称して橘とされており、現在では国内の柑橘系で唯一の野生種とされているのだそう。
野生の橘が自生するのは和歌山県や三重県、山口県、四国、九州です。まれに海岸近くの山地にも自生しているそうです。
橘の実はみかんとよく似ていますが、食べるととてもすっぱいのです。すっぱすぎて生食には向かないため、マーマレードなどに加工して食べます。
橘は、1年中つややかな葉を茂らせている常緑樹です。 そのことから、めでたいものとして扱われ、平安時代から御神木として宮中などに植えられてきました。 橘は、いつも変わらないことから永遠の象徴とされ、家紋や文化勲章のデザインとしても用いられています。
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