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【豆の教室⑦ べにや長谷川商店《小豆編-2》レポート】
5月14日(日)。
この日は、今にも雨が落ちてきそうな空模様でしたが、夕方までなんとか持ちこたえてくれました。
大変人気の、老舗豆専門店 べにや長谷川商店の長谷川清美さんを講師にお迎えする豆料理の教室は7回目を迎え、
「豆の教室⑦ べにや長谷川商店〈小豆編-2〉」と題しまして、満席御礼♪全員ご参加で開催することができました。
豆のおいしさや魅力をより多くの方に知っていただきたい、豆料理をもっと気軽に楽しんでいただきたいという想いから始まり、季節ごとに開催しています。
日本でよく食べられている豆の種類を取り上げて、豆の基本的な調理方法や展開料理を実習し、ランチで味わいます。
今回のその様子を、モリ乃ネスタッフのヒロミがお伝えします!


エントランスでは、いつも暖簾と看板がお出迎えします。

参加者の皆さんの来場時間前には、こんな風に、豆やランチメニューの仕度、会場セッティングを進めています。
おや?清美先生、ノブさんの他にどなたかいらっしゃいますね。

テキストを見ながら、真剣に打ち合わせや最終確認をする清美先生とノブさん。
“あごに手”がシンクロしてますね。w
おや?やっぱり、どなたかいらっしゃいますね。

そうです!
第5回目豆の教室ひよこ豆編の時にも特別ゲストとしてお越しいただいた、べにや長谷川商店の長谷川ミヨさん!
清美先生のお母さまです。
今回の教室は『次世代に伝え繋ぎたい料理』がテーマということで、今回は特別講師として、北海道遠軽町からお越しいただきました。
北海道農家のおやつ「ばたばた焼き」とミヨさんが子供の頃からよく召し上がっていらしたという郷土おやつ「かぼちゃ団子」の作り方をご披露くださいました。
ミヨさんは「ばたばた焼き伝承士」として、現在も全国各地で「ばたばた焼き」を振舞っていらっしゃいます。
作り方のデモの後は、ウェルカムドリンクならぬ『ウェルカム北海道郷土食!』としまして、皆さんに召し上がっていただきました。

馬鈴薯でんぷん(片栗粉)に小豆の甘煮と煮汁を混ぜて、ほんのり味付けをして焼いたものが『ばたばた焼き』。

片栗粉との混ぜ具合にポイントがあるそうで、先生たちは“コキコキした状態”と表現されていました。
その“コキコキした状態”を実際に木べらで確認をされる皆さん。
なるほど…
“コキコキ”してます。w


作り方のコツや、ミヨさんがつくられていた当時のお話を伺いながら、焼きたてをいただきました。
ほのかな優しい甘塩っぱさともっちりサクッな食感が、素朴でありながら新しい感覚なんです。

お次は『かぼちゃ団子』。
マッシュしたかぼちゃと片栗粉、塩を混ぜて少し多めのバター(油)でこんがり揚げ焼きにしたものです。

かぼちゃと片栗粉、塩を混ぜて丸めた状態で冷凍保存も可能だそうなので、かぼちゃが多めにある時に作っておくといいかもしれませんね。


こちらも少しもっちりとした食感とホクホク感、そしてほのかな甘みとバターの香ばしさとコク。
実は私も、子供が小さい頃に小さな小判型でよく作っていました。(かぼちゃ餅と呼んでいました)
凍らせておいて、お弁当の中に入れたりすると、彩りもよく、子供も好きな一品だったので、北海道の郷土おやつだったと聞いてびっくりしました。
でも、今回教えていただいたように、大きく丸めて寝かせておき、スライスして焼くことで、しっとりとしたまろやかさがあったので、これからは教えていただいたこちらの方法で作ってみたいと思いました。

かぼちゃ団子には、お好みで砂糖と醤油をつけてお召し上がりいただきました。

この日は、公共機関の大幅な遅延があったようですが、有難いことに、皆さん諦めずにお越しくださいました。
全員がお揃いになったところで、豆の教室本編のスタートです。
豆の教室のテーマとなる豆は、大豆、小豆、えんどう豆、いんげん豆、ひよこ豆と一巡し、前回は大豆編-2(手作り豆腐)でした。
そして今回の豆は、「小豆編」の2回目。


昔から私たちの食と健康を支えてきた「小豆」。
いま一度、小豆の美味しさや魅力、そして日本の食を見つめ直しましょう!ということで、『次世代に伝え繋ぎたい小豆料理』をテーマとして、豆料理の第一人者である長谷川清美さんから「小豆」について教わります。

こちらは、十六ささげのお赤飯に使うもち米。
十六ささげの煮汁に一晩浸水させることで、こんな風にほんのり淡い赤に染まります。



蒸し上がった淡いピンクのもち米。

十六ささげの粒がこわれないように丁寧に混ぜて、再び蒸せば出来上がりです。
さて、これまで何度か出てきました『十六ささげ』。
なんのことですか?!
という方も多いのではないでしょうか?
かく言う私がそのひとりでした。w
十六ささげは小豆の仲間のささげで、長いさやに16粒ならんでいることからそう呼ばれるようになった豆だそうです
(実際にはもっと豆が入っていることも多いそうですが)。
小豆より粒が一回り大きく、小豆に比べて炊いた時に皮がやぶれにくく、煮崩れしにくいという特徴があるそうです。
ですので、祝いの席に炊く赤飯には、やぶれるのは縁起が悪いとされ、小豆ではなくささげを使うとか。
この風習は関東のものらしく、関西ではやはり小豆が主流なのだそうですよ。


こちらは、白小豆と黒小豆のおはぎにする玄米ともちきびをついている様子。
「半殺しにするのを手伝ってくださる方~!」「半殺しやりたい方~!」
という清美先生のちょっと物騒な問いかけ。
おわかりになりますか?
私は知らなかったので、笑ってしまいました。
おはぎを作る際になめらかなお餅になるまでつかずに、米のつぶつぶが残る程度につぶした状態を「半殺し」と呼ぶのだそうです。
徳島県と群馬県の一部の地域では、おはぎのことを「半殺し」と呼ぶ人がいるのだとか。


黒小豆と白小豆で餡をつくります。
こちらの読み方もお分かりになりますか?
私は、この豆の教室が始まって以来、多くの豆の名前を目にしたり耳にしたりするので、やっと迷わず読めるようになった「小豆(あずき)」。(やっと、って?!w)
なので、これは黒い小豆と白い小豆で「くろあずき」と「しろあずき」でしょ?
となんの迷いもなかったというのに…。
「くろしょうず」「しろしょうず」と読むのだそうです。