7月6日(土)。
小暑を巡り、30度を超える真夏日となり、全国的には猛暑日となった地域もあったそうで、続く暑さに少しずつ体も悲鳴をあげ始める季節となってきました。
そんな、カンカン照りの天気のこの日に、暑さ対策にももってこいの『黄梅しごと』~季節を味わう保存食~ワークショップが開催されました。
その様子を、モリ乃ネスタッフのヒロミがレポートいたします♪
前日に、計量をして冷蔵庫にて保存していた黄梅を洗って準備をしていたら、夏の陽射しが射しこんでとても綺麗。
保存していた袋から出した途端に、梅の香りが漂いはじめました。
梅農家さんより直送していただく、農薬を使わず丁寧に育てられた自然栽培の梅は、自然のものですので、人の手で調整できるはずもなく、毎年ワークショップ開催日に丁度良い状態でお出しできるか、冷や冷やします。w
今年も、無事人数分の黄梅を、なんとかご用意することができました。
梅は、毎年お世話になっています、群馬県の自然栽培の梅農家さん「北斗の森 tarirari-farm 」さんより届いた「古城」という品種。
ゆっくりと実が大きくなるので、他の梅と比べて収穫時期が遅めです。
完熟梅の収穫は7月上旬にかけてとなります。
実がしっかりと締まっていて、しっかりした酸味で
「これぞ梅干し!」っていう美味しい梅干しになるよ!
と梅農家さんのお墨付きの梅です。
ノブさんが漬けた梅干しや梅酢、梅シロップなどがずらっと並んで、皆さんのお越しをお待ちしています。
久しぶりの、ノブさんが伝え手となるモリ乃ネのワークショップ「季節を味わう保存食」は、旬の食材と季節を五感で愉しみ、先人たちから受け継いだ知恵を大切にしながら、保存食とアレンジ料理をつくるワークショップです。
『黄梅しごと』は夏の定番手しごとのひとつですね。
この日は、「梅干し」と「梅漬け(さしす梅)」を仕込みます。
「梅漬け(さしす梅)」は、砂糖(さ)・塩(し)・酢(す)で漬けた梅のこと。
塩分控えめで、ほんのり甘みがあって食べやすいです。
土用干しせず、フレッシュでまろやかな味わいを楽しめます。
まずは、ノブさんのご挨拶とこの日の流れなどのお話を。
ウェルカムドリンクとして、ノブさん自家製の梅シロップを炭酸割りでお出ししました。
ノブさんの梅シロップには、スパイスが一緒に漬けてあるので、爽やかな風味で、後味がさっぱり。
暑い中お見えになった皆さんの身体を、まずは、クールダウンです。
この日仕込む「さしす梅」も、ご存知ない方がいらっしゃるかと思いますので、最初に1粒ずつテイスティングをしていただきました。
そして、梅についてのお話の後は、梅干しの仕込みから実習スタートです。
梅しごとの定番の手仕事。
ひとつずつ梅の水分を拭き取りながら、なり口のヘタと汚れを取り除いていきます。
この時間は、梅の香りに癒されながら、大抵、皆さん黙々と作業を進められます。
モリ乃ネのワークショップでの梅干しづくりは、できるだけ現代の暮らしに寄り添うカタチで、美味しく仕上がる方法をお教えしています。
梅干しも、さしす梅も、密閉袋で仕込んでお持ち帰りいただき、その後、ご自宅にて熟成させる方法を、ポイントをおさえつつ、ノブさんがデモンストレーションでご説明。
こちらは、2日前に仕込んだ梅の梅酢があがってきた状態のもの。
早速、皆さんにも袋の中に仕込んでいただきます。
梅干しの仕込みが完了したところで、もみ紫蘇を入れる「赤紫蘇入り赤梅」の作り方をデモンストレーション。
まずは、「もみ紫蘇」のつくり方から。
各テーブルをまわり、赤紫蘇の香りを皆さんに楽しんでいただくノブさん。
梅1㎏分のもみ紫蘇をつくるのに、これだけの赤紫蘇を使います。
塩をもみこんでアクをとっていきます。
もみ込んでいくと、あれだけの赤紫蘇がこれだけになってしまうのですね。w
アクを2回捨てて梅酢を加えると…
鮮やかな赤紫色に変わるので(少ししか見えなくて、すみません…)、これをほぐして塩漬けした梅に加え、重石をして保存し、梅雨が明けて土用干しをしたらできあがりです♪
土用干しの方法も、一般的な方法に加えて、ノブさんならではの簡単土用干しも伝授。
こうして、土用干しの意味をおさえた上で、その方法のハードルを下げることで、「梅干しづくりは大変だからやりたくない」という気持ちを少しでもなくしたい。そして、先人たちが生み出し受け継いできた、理に適った食材の梅干しづくりがこれからも受け継がれていくこと、それがノブさんの思いなのです。
漬けた梅は、土用干し後から食べられるそうですが、1か月ほどしてからの方が味がなじんで美味しくなり、さらに塩気がまろやかになるのは半年後くらいだそう。
1~2年ねかせると、酸味と塩気のバランスがよくなり、まろやかになっていくそうなので、少しずつ変化する梅干しを味わって楽しむ、というのも、自家製ならではの醍醐味ですね。
同じようにさしす梅も、ノブさんが手順をお見せしながら、皆さんにも仕込んでいただきました。
こちらは、2週間~1か月後には食べられるそうなので、この夏の疲労回復に、早速活躍してくれそうですね!
梅の仕込みが終わったところで、ここからノブさんが漬けた梅干しや梅酢、さしす梅を使って、ノブさんオリジナルのランチメニューを皆さんと一緒につくっていきます。
メニューごとや工程ごとに分かれて、野菜をカットしたり、酢飯をつくったり。
ノブさんが要所要所、まわってアドバイスをしていきます。
こちらは、アボカド、きゅうり、枝豆の梅わさび和えチーム。
まずは、野菜を切ります。
こちらは、梅酢の混ぜ寿司チームです。
炊き立てのお米に梅酢を混ぜて冷まし、刻んだ野菜などを混ぜていきます。
塩麹などに漬けた鶏肉と夏野菜をオーブンでグリルしていきます。
スープもよそって、水菜ととろろ昆布をトッピング。
デザートのゼリーはクラッシュして盛り付け、梅シロップの梅の実をトッピングします。
こちらも、ノブさんお手製の赤紫蘇シロップ。
水で割り、氷とカットレモンを浮かべていただきます。
※こちらのつくり方は、「ことごと綴り」ブログに記載しています。
それぞれのメニューが完成したところで、ノブさんが盛り付けのサンプルを。
「お好きに盛り付けて頂いていいですよ~」
と、ノブさんはアナウンスしますが、やっぱり皆さんサンプルを眺めて同じように盛り付けていらっしゃいました。w
《梅の保存食・梅のアレンジメニューの梅づくしランチ》
*梅酢の混ぜ寿司
*トマトの梅びたしスープ
*鶏肉と夏野菜の塩麹グリル&梅ソース
*リーフサラダ&さしす梅ドレッシング
*アボカド・きゅうり・枝豆の梅わさび和え
*梅シロップのクラッシュゼリー
*赤紫蘇ジュース
梅酢の混ぜ寿司は、まろやかな梅酢の酸味に、しょうが、みょうが、青じその香味野菜と、胡麻の風味、きゅうりの食感が効いた、夏を感じるさっぱりとしたお寿司です。
この、見た目が映える丸ごとトマトのスープは、出汁に梅干しの酸味と塩味を程よく感じる冷製スープです。
一晩スープに漬かった湯剥きトマトは、出汁で引き立てられた甘味が引き立って更に美味しくいただけます。
アボカド・きゅうり・枝豆の梅わさび和えは、アボカドと枝豆のクリーミーな食感の中に、乱切りきゅうりの食感がザクザクと楽しく、梅干しとわさびという2大刺激食材がこれまたうまく調和していいタッグを組んでいます。
私の主観ですが、枝豆の味わいがとてもよく引き出されていて、とても夏を感じました!
「どうして、ここに枝豆を選んだの?」
と、ノブさんに聞いてみたら、
「豆は入れたかったのだけれど、豆って少し手間がかかるでしょ?皆さんが使いやすい豆、って考えたら季節的にも枝豆かな、と思って。全体を緑~にしたいっていうのもあったけどね。」
という、なんともノブさんらしい答えが返ってきました。
味わい、食感、つくりやすさ、旬、見た目
これらを頭の中でイメージしながら、ノブさんのレシピ開発はされているんですね!
どうりで、食べていて脳みそが楽しくなるはずですね。
鶏肉と夏野菜の塩麹グリルは、そのままでも塩麹とレモン、にんにくの風味で美味しいのですが、すりおろし玉ねぎが入っている梅ソースが、バーベキューソースの様な味わいで、これまたぴったり!
この梅ソース、いろんなものにかけていただきたくなります。
梅シロップのクラッシュゼリーは、目にも涼しげで、これからの季節に喜ばれるデザート。
クラッシュしたゼリーに、さらに梅シロップをかけているのですが、スパイスと一緒に漬けこんだ梅シロップなので、さっぱり。
甘いものがあまり好みでない方にも喜ばれるのではないでしょうか。
さて、ボリューム満点なランチメニューでしたが、梅の効果か、さっぱりあっさりぺろりといただいてしまいました。w
(そして、帰宅後くたくただった身体が、翌日にはケロッとしていました!)
皆さんも、おかわりされる方がいらしたほど、たくさん召し上がっていただけました。
さて、皆さんが食後の片付けも終わった帰り際、ずっと梅干しの保存びんなどと一緒に並んでいた謎の壺の正体が明かされました!
(ノブさん、披露するのを、ちょっと忘れてしまってましたw)
この、年に一度の梅干しづくりワークショップで開けられるという、9年ものの梅干しです!
ゼリー状のペクチンをたっぷりまとった梅干し。
1粒を小分けにして皆さんにも召し上がっていただきましたが、小さなひとかけだけで、
「すっぱっ!!!」
と、梅干し顔になるほどの威力を持っています。w
こんな風に、上手く保存ができれば、「家宝の梅干し」も夢ではないかもしれないですね。w
この日は、皆さんが仕込んだ梅干しとさしす梅をお持ち帰り頂き、赤紫蘇や、ノブさんが仕込んだもみ紫蘇の販売もさせていただきました。
皆さんのご自宅で、梅がどの様に仕上がって、どの様に食卓にのぼるのか、とても気になります。
梅干しやさしす梅だけでなく、梅酢やもみ紫蘇をつかったレシピなどのお話もありましたので、調味料としての活用も幅広く楽しんで頂けるのではないかと思います。
*・・・*・・・ *・・・* 《ご参加いただいた方のご感想》
●色々な保存の仕方、食べ方を教えていただけて、とても参考になりました!9年モノの梅干しもいただけて、保存食って、梅ってすごい…と思いました。ありがとうございます!ランチも大変おいしかったです♡(40代女性)
●とっても良い時間になりました。毎年梅をつけられるようになりたいです。梅フルコースもとっても美味しかったです。(40代女性)
●梅干しの作り方だけでなく、そのアレンジ料理も知れて楽しかったし、作ってみたい!と思えました。食器、びん、教室内も全て素敵で居心地良すぎです。和やかな雰囲気がとてもよかったです。また参加したいです。(50代女性)
●コツややりやすい方法を教えていただきありがとうございます。毎回とても楽しく参加させていただいてます♡(50代女性)
●梅を使ったお料理は、どれも美味しくいただきました。梅干し作り、頑張ります。そして自分でも梅料理を作ってみたいと思います。(60代女性)
*・・・*・・・ *・・・*
ご参加いただきました皆さん、どうもありがとうございました!
Comments