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執筆者の写真morinone

【変わり味噌仕込み②薬膳味噌をつくる会レポート】


4月29日(土祝)。

季節が穀雨を巡り、太陽の陽射しや植物たちの枝葉の勢いに夏を感じるようになったゴールデンウィーク初日。


キッチンスタジオにも清々しい空気が漂い、開け放した窓からはカラッとした光が差し込む晴天となりました。


3月に開催予定だった変わり味噌仕込み②のワークショップが延期となり、この日に開催することができました。

その様子を、モリ乃ネスタッフのヒロミがお伝えします!


(延期開催となり、ご参加いただくことができなかった皆さまには、改めまして心よりお詫び申し上げます。)



モリ乃ネキッチンスタジオをオープンして、間もなくコロナ禍となり、これまで開催してきたワークショップでは座席を離して全て前向きにしたり、島に分けて距離をとったり、アクリルのパーテーションを立てたりと感染防止対策をして参りました。


ようやくアクリルパーテーションが外れ、この様にテーブルをつけて向き合って座っていただくスタイルにすることができました。


この方が作業スペースも広く使えますし、やっと皆さんで一緒の時間を共有するカタチにできた気がします。

キッチンスタジオの空間も広く感じます。


このまま、よい傾向に向かうことを願うばかりです。



『変わり味噌仕込み その②』は「薬膳味噌をつくる会」です。


発酵食であるお味噌を、さらに薬膳的効果の高い食材として注目されている「紅麹」、「黒豆」と「玄米」を材料に使って2種類仕込みます。

有機栽培米の生麹、農薬・化学肥料不使用の豆、自然塩などを使います。


「紅麹」は赤い色をしている米麹で、古くから中国や台湾、日本の沖縄などで発酵食品に用いられています。

琉球料理「豆腐よう」の赤い色といえば、お分かりになる方も多いのではないでしょうか。


行促進、内臓を温めるなどの効果が知られ、中国では漢方の生薬としても利用されています。


最近は食品やサプリメントなどに用いられ、商品化されてきているようですが、「紅麹」自体は市場には少なく、価格の方もなかなかだそうです。


「紅麹」を味噌にするのは珍しいので、他にない特別なお味噌が出来上がります。


「黒豆」は腎の機能を高めるといわれ、「玄米」はビタミン類、ミネラル類、食物繊維などを豊富に含んでいるなど、健康効果の高い食材です。



これまでノブさんが仕込んできた様々な味噌を前に並べて、実際に見ながらお話をしてゆきます。

使用する豆、麹、熟成年数などの違いで、こんなにも色が違ってくるんですね。


ノブさん推奨の保存びんに仕込むと、こうして“並べて飾って観察する”という楽しみ方もポイントのひとつ。w



今回の変わり味噌仕込みは「紅麴味噌」と「黒豆玄米麹味噌」の2種類。


発酵促進のために、紅麹味噌には、紅麴の他に白米麹も使用します。

ノブさんがこれまで仕込んできた中のベストバランスでの割合で混ぜ合わせていきます。



まずは、仕込みをする2種類の味噌をテイスティングしていただきました。

こういった体験ができるのも、このワークショップの醍醐味のひとつです。


・黒豆玄米麹味噌は「約5か月間熟成もの」と「約2年間熟成もの」の2種。

・紅麴味噌は加えて「約1年間熟成もの」の3種。


同じ素材でも熟成具合でこんなにも変わるんだ!とびっくりします。

お好みの味を知って頂く事で、これから仕込む味噌を“どこまで育てていくか”考えるのも楽しいですね。


お口直しも兼ねて、蒸した豆それぞれの味わいもお試しいただきました。



いよいよ仕込みスタートです!


まずは、麹と塩を混ぜて塩切り麹をつくります。

よくほぐして、少しもっちりするまで混ぜていきます。


麹の香りや手に触れるこの時間は、味噌仕込みの中でも癒しの時です。




次に、塩切り麹と豆を混ぜ合わせて潰していきます。

この工程に入ると、皆さん力仕事なので黙々と真剣そのもの。


紅麹と大豆が混ざって、ピンク色になってきました。

味噌仕込みのワークショップ始まって以来の可愛らしい色合いです。w




同じ工程を繰り返します。

お次は黒豆と玄米麹を混ぜて潰していきます。



豆が少し硬い場合は、麺棒などを使って潰していくと早いです。


仕込んだばかりの袋に入ったピンクの紅麴味噌と、保存びんで熟成が進んだ(左から)約2年、約1年、約5か月熟成もの。

熟成していくと、やっぱり“味噌らしい色”に変化していくのですね。


なぜ、この様な変化が起きるのかについても、ノブさんが詳しく説明してくれました。

ホントに、味噌づくりって突き詰めていくと実験に近いことがわかります。w



こちらは、仕込んだばかりの袋に入った黒豆玄米麹味噌と、保存びんで熟成が進んだ(左から)約5か月、約2年熟成もの。

こちらの色の変化も、結構驚きですよね。



この日仕込んだ味噌は、それぞれご自宅にて保存容器へ移して、皆さんのお好みのお味になるまで育てていただきます。


同じ素材でも、育てる環境や温度、育てる人によって出来上がりが違ってくるといわれている味噌。

絶対に他では味わうことのできない「わが家の手前味噌」を、お楽しみいただけたら嬉しいです。



仕込みが終わったら、片付けてランチタイムです!

今回は、盛りつけを皆さんにもお手伝いいただきました。



変わり味噌テイスティング付きランチプレートです!

今回仕込んだ2種の薬膳味噌や、味噌の材料の豆、紅麹甘酒などを使ったメニューです。


・トマト味噌キーマカレー(紅麹味噌+黒豆玄米麹味噌)

・スパイスライス

・豆の豆乳ヨーグルトサラダ(大豆・黒豆)

・紫キャベツと赤玉ねぎの甘酒マリネ(紅麹甘酒)

・蒸し野菜・味噌バルサミコソース添え(黒豆玄米麹味噌)

・甘酒トウファ・紅麹甘酒ソース

・8種の変わり味噌テイスティング・きゅうり添え

・ルイボスティー





こちらが8種の変わり味噌テイスティングプレート。

上段は豆の味噌ですが、下段はナッツ類の味噌です。


前回の変わり味噌仕込み①の時にもテイスティングをさせてもらいましたが、それから数か月でさらに熟成が進んでいて、味わいがまた変わっていました。


ナッツ類の味噌は大人気で、“お好きな味噌をお持ち帰りいただいていいですよ~!”のノブさんの一声に、こちらを選ばれる方が多かったですね。


キーマカレーには、数種類のきのこも入っていて、味噌ときのこの旨味がたっぷり!

トマトの酸味が爽やかですが、あとからカレーのキレのある辛さがやってきて、いくらでも食べられそう。


蒸し野菜に添えられた味噌バルサミコソースは、熟成2年ものの黒豆玄米麹味噌を使用しているので、深みのある味わいになっていました。

混ぜる味噌によってかなり味わいが変わるので、そんな楽しみ方もいいですね。


変わり味噌、いろいろと仕込んでみたくなりませんか?w



ふるふるのトウファの上にかかっているのは紅麴甘酒。

とても優しいピンクで、目にも美味しいデザートになりました。



今回も、豆と味噌をテーマにしたランチでしたが、いろんな味わいをお楽しみいただけたと思います。


“最初の変わり味噌のワークショップでは、おにぎりと味噌汁をお出しして、変わり味噌をテイスティングしていただくところから始まったんだよね~。”

とノブさんと話しながら、毎回ランチがバージョンアップしていく様子を嬉しく見守る(そして、いただく)私でした。w



ワークショップ終了後、帰りに、味噌仕込みの材料にも使用しています「べにや長谷川商店」の豆をお買い求めいただく方が多くいらっしゃいました。美味しい豆は、お味噌も美味しくしてくれますね。

皆さん、創作のインスピレーションを刺激されたのでしょうか。

嬉しい限りです。



最後に《ご参加いただいた方からのご感想》


●紅麹を見てみたかったので、今回のお味噌仕込みは興味深くて参加させていただきました。大変わかりやすく、お話も楽しかったです。熟成期間も楽しみたいと思います。ありがとうございました。(30代女性)


●味噌のWS2回目の参加です。2年前に作ってあまりにもおいしかったので、今回も申し込みました。自分で作ってみようかと思いましたが、こういった変わり味噌などのWSをお見かけすると、まだまだお世話になりそうです。(40代女性)


●毎年いろいろな味噌仕込みを楽しみにしています。また来年も紅麹味噌のワークショップを開催してください。(50代女性)


●紅麹味噌は本当に楽しみです。日本の発酵食は是非継承したいと毎回思わされています。(60代女性)


ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました!

仕込んだ味噌がどの様に育って、味噌や豆がどんな風に食卓に並んだのかなど、後日談もお聞かせいただけたら、尚嬉しいです。



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