4月20日(土)。
20度を超える気温となり、もうすぐそこに来ている夏を感じさせる陽気のこの日、リニューアルをしたかもしラボ土曜クラスの新講座『定番調味料+発酵調味料講座』がスタートしました。
その講座の様子を、モリ乃ネスタッフのヒロミが、レポートします♪
キッチンスタジオの窓辺にも陽射しが射しこみ、ノブさんが仕込んだばかりの果実酒たちがきらきらと輝いていました。
(金柑、グレープフルーツ、日向夏、清見オレンジ、庭になった檸檬などの柑橘が、見事に並んで詰められて、もはやアートの域!)
これまで開催してきました『旅する調味料講座』と『定番調味料講座』は3月をもって終了となりました。
コロナ禍に、少しでも世界を旅する気分になれたら、と続けてこられた講座ですが、コロナが落ち着いた今、そろそろそのお手伝いはしなくてもいい頃かな、と気持ち新たに4月からリニューアルしたそうです。
これまで、たくさんの世界の味を楽しませていただきました!
4月より『定番調味料+発酵調味料講座』として、新たな内容でスタートします。
毎月、季節の定番調味料に加え、麹を使った発酵調味料を仕込む講座となります。
こちらの、オザワ先生の著書の中からも抜粋されるそうですよ。
(書籍はモリ乃ネでもお取り扱いをしております。)
今回は、「和の調味料」として下記の5種を仕込み、発酵調味料は各自ご自宅にて発酵して仕上げていただきます。
発酵調味料:発酵和だし・煮干し麹・アサリおかか麹
定番調味料:基本のだし粉・めんつゆ
仕込んでおいただしは、料理の際に、サッと使えて美味しく仕上がる便利な調味料。
忙しい日常の調理を時短できて、更に味わいをワンランクアップすることができます。
時間のある時には0からしっかりだしを取り、日常使いには仕込んでおけるだしにアレンジを加えたりして味の変化を愉しむなど、使い分けるといいですよ、とオザワ先生。
全体の説明の後は早速、発酵和だし、煮干し麴、アサリおかか麴、だし粉ミックスと順に仕込んでいきます。
発酵和だしには、米麹、かつおぶし、昆布、エノキダケ、マイタケ
煮干し麴には、米麴、煮干し
アサリおかか麴には、米麴、アサリ、かつおぶし、長ネギ
だし粉ミックスには、かつおぶし、昆布、煮干し、しいたけ、あご
と、それぞれに異なる旨み成分がたっぷり。
あれ?旨みって「うまいあじ」=「美味しい」ということ?なんだっけ?
と、ふと思ったので、簡単に調べてみました。
「旨み」は、アミノ酸のひとつである「グルタミン酸」や「イノシン酸」「グアニル酸」などの成分に由来する味の種類を指し、人間の味覚の基本味(きほんみ/きほんあじ)のひとつだそうです。
「甘味」「苦味」「酸味」「塩味」と「旨み」で「味覚の5つの基本味」とされています。
それぞれを多く含む食材は以下のようになります。
グルタミン酸:昆布、トマト、セロリ、玉ねぎ、にんじん、長ねぎ、しょうが、チーズ、緑茶など
イノシン酸:かつおぶし、煮干し、豚肉、牛肉、鶏肉、魚介類など
グアニル酸:干し椎茸、乾燥きのこ全般など
そして、単一の旨みよりも、グルタミン酸とイノシン酸、グルタミン酸とグアニル酸の組み合わせは「旨みの相乗効果」があらわれて旨みを強く感じるといわれているそうです。
オザワ先生のレシピには、この掛け合わせが満載!
さらに、麹調味料は、麹の酵素の力でたんぱく質がアミノ酸(旨み)に分解されるので、料理をなんでも美味しくしてくれ、超便利な「だし」のように使えるのだとか。
簡単に、料理に旨みをプラスできるはずですね。
発酵は食物のおいしさや栄養価、保存性を高めるだけでなく、腸内環境の改善や抗酸化作用など、健康効果をもたらすといわれているので、それらを発酵させることで、更に更に最強の調味料になるということです。
自家製調味料、発酵調味料のポイントはこういったところにもあるのですね!
発酵調味料に欠かせない米麹
それぞれの材料を量って密閉袋に入れて混ぜ合わせていきます。
旨み成分たっぷりのあさりの煮汁も入れます。
ご自宅での発酵の方法についても丁寧な説明がありました。
発酵器がある方、代用品の炊飯器がある方、ない方、それぞれの方法があるので、発酵初心者の方でも安心です。
最後に、「めんつゆ」を仕込みます。
こちらは、みりんと酒のアルコール分を飛ばす「煮切り」を実際に行っているところです。
煮切る時のポイントを香りで体感したり、その他の方法を教えていただきながら、めんつゆをつくっていきます。
こういった時間には、オザワ先生と皆さんとのフリートークも繰り広げられるようになったので、コロナ禍よりも、ちょっとした会話から知れる知識や情報もあり、自然と笑顔も増えて和気あいあいとした雰囲気です。
さらに、料理がお好きな方が多いので、参加者の方同士でもちょっとした知識の交換の機会もあります。
それもまたいいなぁ、昔の家庭の味の伝承はそうやってご近所さん同士の会話で行われていったんだよなぁ、このモリ乃ネという場が活きてるなぁ、と感じるのでした。
全ての材料を順に入れて煮て、粗熱を取って濾したら出来上がりです。
この、ふんだんに使った昆布やかつおぶしも、取り出してからふりかけにするなど、無駄なくいただける方法も、教えていただきました。
この日、皆さんに仕込んでお持ち帰りいただいた5種の調味料。
(皆さんには、そのまま発酵できるよう、密閉袋や容器に入れてお持ち帰りいただきました。)
そしてここからは、皆さんで、発酵和だし、煮干し麴、アサリおかか麴、だし粉ミックスを使った料理をつくり、ランチでいただきます。
この日のランチメニューは
・発酵和だしを使った「ホタルイカと青菜の炊き込みご飯」
・発酵和だしを使った「白い肉じゃが」
・アサリおかか麴を使った「豚肉の和風唐揚げ」
・煮干し麴を使った「小松菜のおひたしレモン風味」
・だし粉ミックスを使った「ゴロゴロ大根とえのきのみそ汁」
「白い肉じゃが」は、発酵和だしさえあれば簡単調理!醤油が入っていないので、「白い」のです。
スナップエンドウを綺麗に開いて可愛らしくトッピング。
「ホタルイカと青菜の炊き込みご飯」は、発酵和だしを加えて炊きます。
炊飯器から蒸気が出始めると、キッチンスタジオは、だしの香りとホタルイカの炊ける香りに満たされていました。
お腹が、ぐぅと鳴りますw
「豚肉の和風唐揚げ」は、豚肉にアサリおかか麴をまぶしておいてから揚げ焼きにします。
大きめに切った大根とえのきだけの、だし粉ミックスを使った味噌汁。
はい、豪華な和風ランチセットのできあがりです♪
炊き込みご飯は、発酵和だしとホタルイカの旨みと香りが効いた味わい。
アサリおかか麴と豚肉の旨みと、さっぱりとしたタレがぴったりの一品。
ごはんのおかずに最適。お弁当にもよさそうです。
発酵和だしと野菜の旨みだけ?!とびっくりする目から鱗の肉じゃがです。
鍋に入れて火にかけてほっとくだけですよ。w
「小松菜のおひたしレモン風味」は、煮干し麴を使います。
さっぱりとした一品で、箸休めにぴったり。
これだけの旨みたっぷりのメニューを、皆さんで手分けをしてささっと作れてしまうのは、凄いことだと思います。
もちろん、皆さんの手際の良さもありますが、加えるだけで他の調味料をいろいろと足さなくてよいこともポイントですね。
「料理をする」=「材料を調味料で味付けして調理する」というような概念だった私でしたので、その「調味料」をつくるということ、これはかなり革新的なことでした。
どこかで「こだわりのある人がやること」そんな風にも思っていたかもしれません。
でも、こうして実際に仕込んだ調味料で調理する工程を見て、実際に美味しくいただいてみると、それは「こだわり」というよりむしろ「あった方が便利で時間的にも健康的にも美味しさ的にも得をする」という感覚に変わった気がします。
もちろん、その「調味料を仕込む」というところにひとつのハードルを感じるかもしれませんが、そんな時にこういったワークショップというのはとてもよい機会だな、と思うのです。
調味料の材料は揃っていて、参加するとしばらく事足りる量の自家製調味料ができます。
その活用方法も実践できて、味も体感できる。
日々の調理に活用しやすくなり、もしかすると、そのうちに自分でアレンジしてみたくなってくるのかもしれません。
基本の調味料の、その基本を学んで体感できるこの講座は、基本だからこそ、アレンジが自由で、日常の「食」に、豊かな広がりをもたらしてくれる、楽しみ方を知ることができる、そういった学びを得られると思います。
またひとつ「こうでなくてはならない」が払拭された学びがありました。
ご参加された皆さんはいかがだったでしょうか。
皆さんの食卓に、この調味料がどのようなメニューに使われて、どんな家庭の味になっていくのでしょう。
また、お越しの際に、聞かせてください。
ご参加くださった皆さん、ありがとうございました!
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*お知らせ*
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2024年4月より、かもしラボ土曜クラスがリニューアル!
これまでの『旅する調味料講座』と『定番調味料講座』は3月をもって終了となりました。
4月より『定番調味料+発酵調味料講座』として、新たな内容でスタートします。
毎月、季節の定番調味料に加え、麹を使った発酵調味料を仕込みます。
1日2講座から1講座に集約し、開催時間と参加料金も変更となります。
また、お申込み受付窓口が、モリ乃ネキッチンスタジオからかもしラボへと変更(以前のシステムに戻ります)となりましたので、ご留意ください。
お申し込みは、かもしラボのHP・問い合わせフォームからお願いします。
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