2月24日(土)。
三寒四温の日々を巡り、そう遠くはない春を感じるこの季節ですが、ここのところずっと「寒」の雨の日が続き、体調を崩される方も多いと聞いていますが、この日は選ばれた様にすっきりと快晴!
久しぶりの青空を見上げ、温かい陽射しを感じながらキッチンスタジオへ。
隣のビルでは屋上からブランコを垂らし、窓拭きの方がせっせとオフィスビルのガラス窓を磨いていらっしゃる光景があり、なんだかシャッキリとしました。
そんなよく晴れたこの日に、『そば粉100%を愉しむパンとおやつ』2月のワークショップが開催されました。
その様子を、モリ乃ネスタッフのヒロミがお伝えいたします!
モリ乃ネキッチンスタジオの入っているビルや駐車場に、温かな陽射しが射して心地の良いスタートです。
看板にも木陰が落ちてなんともいい感じ。
(ともこ先生が到着されて、本格的な仕度も始まりました)
ノブさんが活けた春の花々が窓辺で陽射しを浴びて嬉しそうに咲いています。
今回の教室では、お食事系とデザート系の2種類のガレットをつくります。
「ガレット(galette)」とは、フランスのブルターニュ地方の郷土料理。
クレープのように丸く薄焼きしたそば粉の生地にさまざまな具材をトッピングし、食事としてもデザートとしても食べられています。
そば粉の香ばしい風味ともちもちとした食感を楽しむことができるそば粉料理です。
本場のブルターニュ地方では、シードルを入れたり、一晩寝かせたりするため、タンパク質やでんぷんが分解されて生地に色目が付きやすいのだそうですが、今回ともこ先生が教えてくださるのは、「混ぜただけですぐに食べられる!」ガレットだそうです。
まずは「そば粉」についてのお話と、粉挽き機にてそばの実を挽き、そば粉の粗さの違いなどを実際に見せていただきました。
そば粉には他の雑穀に比べて「マグネシウム」や「鉄分」が多く含まれているそうですよ!
そして、この日に使用したそば粉は、そばの実を太陽の陽射しに当てながら、一定期間風にさらすことにより、糖度が上がり水分も少なめで、濃厚な味わいとなった特別なものなんだそうですよ!
そば粉には「玄引き」「丸抜き」「粗挽き」「中挽き」「微粉」「超微粉」など挽き方の違いで異なる種類があるそうなのですが、それらの違いを丁寧にお話くださいました。
生地の材料は「玄挽き(殻ごと挽いたもの)そば粉」と「中挽きそば粉」に塩、胡椒、水のみです。
(この塩、胡椒の塩梅がまたミソなんです!)
今回、ガレットを焼くのに使用する鉄板。
こちらはともこ先生のオリジナルオーダーによるものです。
まずは、生地の材料をダマができないようにポイントを教わりながら混ぜていきます。
焼く時は、この鉄板を「手のひらに痛みを感じるくらい」熱々になるまで熱することもポイントのひとつだそうで、皆さんもその熱さを手をかざして体感します。
早速、ともこ先生によるデモンストレーションです。
生地を鉄板にたらし、「トンボ」で伸ばして丸く、薄く焼いていきます。
この時の火加減なども、実際に見て、まずは頭にインプット。
なんて、美しい焼き上がり!
ジュー、スッスッス、スッスッス、(トンボを持ち替えて)スッスッス、クル~
先生の慣れた手つきを拝見していると、「あら?!簡単?!」
と感じるのですが…
さらに!
ともこ先生はすぐには焼かせてくれません!w
まずは、温めていない鉄板の上で、生地を伸ばして焼くトンボの素振り&シミュレーションタイム!
慌てて火傷などしないよう、この時間はとても重要なのだと、この時はまだ誰も気づいていなかったかもしれません。
さあ、シミュレーションができたところで、いよいよ生地を焼く練習がスタート!
おや?おや?
なかなか、先生のようにはいかない?!
何が違うの?!
どうやったらいいの?!
皆さんの中に、具体的な疑問が生まれてきて、楽しいけれど鍛錬の時間がやってきました。
でも、初めての方ばかりだというのに、皆さんとても上手。
こういった作業がお好きな方が多いのでしょうね。
さらに上!を目指すべく、皆さんの闘志が湧いてきたのを感じました。
そこで、すかさずともこ先生は、もう一度皆さんを集めてデモンストレーション。
実際に何枚か焼いてみたことで、皆さんの中に、具体的な疑問や、更に上!の気持ちが出て来てから、もう一度お手本を確認することで、皆さんの見方が変わるからです。
そして、ともこ先生の安定の焼き上がりにも脱帽です。
とても美しい「そばレース」と呼ばれるレース状に薄く、均一に焼きあがっています。
再度、皆さんの挑戦が始まりました。
でも、なんだかちょっと様子に変化があらわれ、本当に1枚1枚丁寧に、そしてどんどん綺麗に焼ける様になっていました。
そして、更にともこ先生の最後の一押し!
先生が、どの段階で、どこを見ながら、何に注意しながら焼いているのか、1枚を焼く工程の中をさらに詳細に説明をしながらのデモンストレーションです!
これは、何枚も焼いた皆さんだからこそ理解できるマニアックなポイントのお話。
そのまま、ランチでいただく、本番のガレット2種をデモンストレーション。
まずは、食事系ガレット。
バターを塗り、ハムとチーズで土手をつくり、真ん中に卵を落とし、ガレット特有の4辺を折りたたむカタチにして焼き上げます。
次は、デザート系ガレットです。
こちらもバターをぬり、きび糖を振りかけます。
そこにレモン汁をかけることによってきび糖が溶けてカラメル化し、パリッとした食感に焼き上げます。
最後にアイスをトッピングすれば、「あつあつ&つめた~い」を愉しめるデザートの完成。
そろそろ、皆さんのガレットが焼きあがるので、それまでキッチンで黙々を仕度をしていたノブさんの料理も並び始めましたよ。
こちら、何かお分かりになりますか?
ノブさん自家製の「水キムチ」です。
辛くない酸味のある爽やかなキムチです。
(こちらの作り方は、3月の『ことごと綴り』にてご紹介しますので、お楽しみに!)
さて、何種類の素材が入っているのでしょう?
と、鍋底をすくっただけで思ってしまうほど、たくさんの材料が煮込まれたスープ。
今回は、皆さんがそれぞれに焼き上げたガレットをのせたプレートに、サラダや水キムチを盛り付けていただきました。
デザートのガレットは、召し上がる直前にアイスクリームをトッピングしていただきます。
この日のランチメニューも、ボリューム満点!
・ハムチーズエッグのそば粉のガレット
・8種の野菜と豆、そばの実入りトマトスープ(焼きそばの実トッピング)
そば粉のガレットチップス添え
・じゃがいもと白花豆の豆乳ハーブマヨネーズ和え(ディルを添えて)
・グリーンサラダ & 新玉ねぎと春人参のドレッシング
・春キャベツときゅうりの水キムチ
・シュガーレモンそば粉のガレット バニラアイスクリーム添え
今回ともこ先生がご用意くださった卵は、平飼いの鶏の卵だそうで、こちらも濃厚な味わい。
半熟の黄身をソースのようにからめて頂くのが最高でした。
トマトベースに、ちょっとだけ唐辛子のピリリ感を感じるスープは、たくさんの具材の醸し出す旨味と香りのほか、そばの実や豆の異なる食感も楽しめる、五感が喜ぶスープです。
デモンストレーションで焼きあがったガレット生地を見て、即興でチップスにしてスープに添えるところは、流石ノブさんです。
レース模様が美しいですね。
皆さんが焼き上げるのを拝見しながら、早く食べてみたくて仕方のなかったこちらのデザートガレット。
カラメルでパリッとした食感のバター風味の生地とアイスクリームを一緒にいただくと、顔が緩んでしまいます。
あとからレモンの爽やかな風味がやって来て、さっぱりといただくことができました。
アイスクリームなしでも、十分に愉しめるのではないかと思います。
この日に焼き上げた「練習ガレット」は、各自お持ち帰りいただきました。
皆さん、どんな風にして召し上がったのでしょう。
さらに、そば粉の量り売り、特注のガレット鉄板やトンボの注文も受け付け、ともこ先生の著書も販売。
そば粉も鉄板もトンボもお求めになられた方々がいらっしゃいましたので、皆さん、ご自宅でガレットのあるメニューを既にお考えのようです。
それはとても、嬉しいことです。
グルテンフリーやビーガンの人にも安心して食べていただける、そば粉のパンや焼き菓子をつくるこちらの教室は、まだまだ新たなメニューを展開されるようですので、今後も楽しみです。
そば粉が小麦粉のように必ず家庭にある素材となったら…と、日々研究し続けている小池ともこ先生の熱意が、楽しいひとときと共に、回を重ねるごとに拡散していく様子が見てとれて、何とも言えない喜びを味わわせていただいています。
最後に《ご参加いただいた方のご感想》
●家でガレットを作れるなんて、すごくうれしいです!お食事、デザート共にとてもおいしかった。(
40代女性)
●そばについての知識を知ることができ、わかりやすく教えていただき、楽しく、美味しかったです。
ありがとうございました!(50代女性)
●そばがき同様、シンプルな食材で、かつ美味しくて、よりハードルが下がりました。ごちそうさまでした。(60代女性)
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました!
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