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  • 執筆者の写真morinone

【ことごと綴り】夏の養生編


陽射しにじりっとした暑さを感じるようになってきましたね。

季節は夏に入りました。


これから、またあの暑い日々がやって来ます。

ちょっと意識をして日常生活を整え、夏バテしないようにしていきましょう。


今回は、五季の中の「夏」の養生についてのことごとを綴っていきたいと思います。




※五季という考え方は、古代中国で始まった「五行説」と深い関わりがあります。


「五行説」について詳しくはこちらをご覧ください。



夏は1年のうちで最もエネルギーが旺盛な時期で、活性化の季節です。

よく食べて良く動き、循環させて心身のエネルギーの滞りを防ぐように意識しながら活動していきましょう。




【夏の食養生】



夏は「火の季節」で、赤に象徴されます。

赤い色や苦い食品は「心(心臓)・小腸系」の働きを助けて、体内での熱や血液の循環をよくするとされています。


赤い食べ物といえば、トマト・人参・ビーツ・赤パプリカ・梅干し・赤味噌・赤米・番茶・杏・クコ・赤紫蘇などです。


そして、夏の野菜は熱を発散して、身体を適度に冷却する効果のあるものが多く、夏バテ防止には最適ですね。


手足の冷えやのぼせ、立ちくらみなどの症状も防ぐとされています。


この季節は特に、内臓を冷やさないこと、血液循環を良くすることを意識しましょう。




〈おすすめの養生食材〉


・ナス科、ウリ科の野菜

・きゅうり

・ナス

・スイカ

・メロン

・ピーマン

・オクラ

・モロヘイヤ

・苦瓜

・とうもろこし

・枝豆

・紫蘇

・山椒

・空豆など


・苦味のある食べもの(よもぎ・春菊・菜の花・パセリ・大根やかぶの葉・瓜・ウコン)


・適度な量のにがりを含んだ天然塩で仕込んだ食品(味噌・醤油・梅干し・胡麻塩・漬けものなど)


夏野菜ににがりを含む塩気を補って食べると心臓の働きが良くなるとされています。



以下の料理を参考にしてみてください。




〈おすすめの料理〉


・きゅうりと青じその梅酢寿司

・枝豆ご飯

・大根の葉と梅干しの混ぜご飯

・生姜と大豆の炊き込みご飯

・ゆかりご飯

・トマト味噌カレー



・冷汁

・トマトの味噌汁

・しじみの豆味噌汁

・モロヘイヤスープ

・赤パプリカと人参の赤いポタージュ

・ビーツのスープ



・夏野菜のラタトゥイユ

・ミニトマトの梅びたし

・トマトとオクラの酢の物

・枝豆としらすの梅じそ和え

・鮭の山椒味噌漬け

・ゴーヤの味噌炒め

・人参ととうもろこしのかき揚げ



〈保存食・発酵食〉

・青梅シロップ

・梅干し

・さしす梅

・ぬか漬け

・生姜の甘酢漬け

・らっきょうの味噌漬け

・金山寺味噌

・福神漬け

・しば漬け

・夏野菜の水キムチ

・夏野菜のピクルス 



・梅しょう番茶

・梅ジュース

・赤紫蘇ジュース など





【夏の身体養生】



夏は、たくさん汗をかいたり、エアコンで過度に身体が冷やされたりと、体のあらゆるところで血流が滞りやすい時期でもあります。


意外と冷え性が怖いのは夏だと聞いたりもしますよね。 湿度や温度の変化に身体が付いていかず、自律神経が乱れ、血流が悪くなるという悪循環などによる不調、これが「夏バテ」です。


血液は全身の細胞に栄養と酸素を運び、不要な老廃物を回収するという、人間の生命維持活動において重要な役割を担っています。


身体が冷えることにより血管が収縮して細くなってしまったり、血液の粘度が高くドロドロの状態になり血流が悪くなったりすると、全身の細胞に栄養や酸素が行き届かなくなり、結果、身体に様々な不調が起こるという訳です。

ですから、血の巡り、血流(血管内での血液の流れ)はとても大切なものなのですね。


日常生活の中に、血流を良くする習慣などを取り入れて夏バテをしないようにしていきましょう。






1.上手な水分補給



・外を歩くことが多い方や運動などで大量に汗をかく場合は、汗をかく前に水分補給をすることが大切です。


・エアコンは湿度を下げるので、尿とは別に身体から水分が蒸発していきます。

デスクワーク中心の方も、冷房のきいた室内にいるときは意識して水分を摂るように心がけましょう。

デスクに置いて気分の上がる、涼しげなグラスを選んでみるのもいいですね。


・水分が1度に吸収される 量は250ml程度だそうですので、1度にたくさん飲むのではなく、こまめに摂るようにするといいようです。


・冷たいものの飲みすぎは胃袋を冷やし、胃のまわりの血管が収縮して  血流が悪くなってしまいます。

できるだけ、夏でも 温かい飲み物をおすすめします。

巡りを良くするハーブティー(ルイボスティー、ローズマリー、ジンジャー、ハイビスカス)などはいかがですか?


・スポーツドリンクは、水分とミネ ラル分の補給に適していますが、糖分も含んでいるので飲みすぎには気をつけま しょう。  

野菜や海藻類にもミネラルなどがたくさん含まれているので、食事に積極的に取り入れるといいですね。


・睡眠中はかなりの量の汗をかいています。

水分が不足して血液の濃度が高くなりますので、寝る前と、朝起きた時の水分補給は大切です。  






2.エアコンの有効活用



・気温が高い場合は、迷わず冷房機能を使いましょう。

(冷やし過ぎには気を付けてください。)


・湿度が高いと疲労につながるので、適度に除湿をしましょう。


・冷風が直接身体にあたる環境は、寒暖差による疲労につながりやすく、結果的に自律神経の乱れにつながる場合があります。 エアコンの冷風が直接あたらないよう、サーキュレーターなどを使うとよいです。






3.無理なく適度な運動を



筋肉には心臓と同じように全身に血液を巡らせるポンプのような働きがあります。体を動かさず筋肉を使わずにいると、血流が滞ってしまいます。


本格的な夏を迎える前に汗ばむ程度の軽い運動を取り入れ、血行不良を改善し汗をかきやすい身体づくりをしていくのもおすすめです。


・ウォーキングやサイクリング、水泳、ヨガなどの有酸素運動は、血流を促すだけでなく、年齢と共に衰え減少していく毛細血管を再生したり新たに増やしたり、発達させるのに有効です。


・有酸素運動をすることにより発生する一酸化窒素には、血流が滞る原因となる血管の収縮や、血液をドロドロにする血小板の凝縮を防ぐ作用があります。


・筋肉には血流を補助する働きもあるので、筋力トレーニングで筋肉を鍛えることも効果的です。

特に、血流量の多い脚の筋肉を鍛えると全身の血流が良くなります。

一緒に頑張っている気分になれる、楽しいフィットネス動画を活用するのもおすすめです。





4.ゆっくりゆったり入浴


お風呂の温熱効果で体が芯から温まることで、血管が拡張し、血流やリンパの流れが促され新陳代謝もアップします。


・シャワーだけでなく、湯船につかることで体の表面はもちろん、皮膚の下の血管などにまで圧力がかかるので、血行促進効果が期待できます。


・水中では浮力によって体重が10分の1程度になります。

重力から解放され、体が軽くなることで、関節や筋肉の緊張が緩み、リラックス効果が期待できます。


・40℃前後のお湯に10~15分程度つかるだけで、十分に体は温まり、血液の循環も良くなります。

顔や額が汗ばむくらいを目安の一つにしてみてください。


・「夏はもう少しぬるめのお湯につかりたい」と思う方は、体温よりやや高めの38℃前後のお湯にゆっくり20分程度つかると良いでしょう。


・血行促進作用のある入浴剤や血流を促す作用のあるアロマオイルを使い、さらに効果を高めるのもおすすめです。






5.ストレッチやマッサージでリラックスタイム



筋肉は動かさないと次第に硬くなり凝ってしまい、血流を阻害します。

そのため、ストレッチでしっかりと筋肉をのばしたり、マッサージで筋肉のコリをもみほぐしたりすることでも血流を促すことができます。


・特に冷えやすく血流が滞りやすい首や肩、ふくらはぎなどは身体が温まっているお風呂あがりなどにアロマなどを焚きながらケアをして、リラックスした時間を過ごせるといいですね。


・日常的に体を温めるとともに、体を必要以上に冷やさないよう意識することも大切です。

身体が冷えると血管には老廃物がたまりやすくなり、血液がドロドロになってしまいます。

この状態では血液の働きが弱まり、各細胞も栄養不足に。

・筋肉量の多い太もも、お腹、腰周り、お尻は血流も多く、しっかり温めると効率よく全身に血が巡るので積極的に温めましょう。


・肩、首もとや、血流の多い二の腕の裏側も温め効果が高い部位です。

冷えてしまった場合はドライヤーの温風を軽く当ててみてください。

(やけどをしないように気を付けて下さい。)

・手足の冷えが気になる時は、筋肉の多い部分を温めて血液を全身に巡らせるようにすると良いでしょう。





6.ぐっすり良い眠り



交感神経が優位に働いていると血管が収縮するため、連日の夜更かしや睡眠不足などでも血流は滞りがちになります。

できるだけリズムを整えていきましょう。


・神経の興奮をおさえるために、スマートフォンは就寝の30分から1時間前には見ないよう、電源を落としてしまうのもひとつの方法です。


・冷えを防ぐために、エアコンの風が直接身体に当たらないように調節しましょう。


・間接照明などで寝室の照明を少し落としてリラックス。


・入浴で深部体温を上げてから入眠しましょう。

就寝の90~120分前に、38度~41度ほどのお湯に10~15分ほどゆっくり浸かれるとベストです。

一時的に上がった身体の深部体温が、下がりはじめる頃にベッドに入るとよく眠れるそうです。




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