今回ご紹介する冬の保存食は『まぐろの自家製ツナ』です。
まぐろをオリーブオイルでじっくりと加熱するので、旨味をしっかり残し、しっとりふわっとした食感の自家製ツナです。
レモンとハーブを加えて煮るので臭みもなくさっぱりとした味わいに仕上がります。
漬けたオイルは旨みと風味がうつっているので色々と料理に使えます。
お馴染みの缶詰のイメージとは全く違う、自家製ツナの美味しさをぜひ味わってみてください。
まぐろのお刺身がお買い得の時などに作るのがおすすめです。
【材料】作りやすい分量
・まぐろの赤身(柵):2柵(約300〜400g)
・塩:適量(小さじ1〜2)
・オリーブオイル:適量(まぐろが8割浸かるくらい/250ml目安)
〈A〉にんにく:2片(薄くスライス)
〈A〉レモン輪切り:5枚
〈A〉ローズマリー:1枝
〈A〉ローリエ:2枚
〈A〉ブラックペッパー(粒):小さじ1/2
【つくり方】
① まぐろは全体(両面・側面)に塩を多めにふり、ラップをして冷蔵庫で30分ほどおきます。
出てきた水分をペーパータオルなどでしっかりと拭き取ります。
②鍋またはフライパンに①のまぐろを並べ入れ、上に〈A〉を入れ、オリーブオイルをまぐろが8割浸かるくらいまで注ぎ入れます。
③中火にかけ、オイルがフツフツとしてきたら弱火にして、約10〜15分ほど加熱します。
まぐろが鍋の底に焦げつかないように時々動かします。
まぐろの表面が白く変わってきたら裏返して1分ほど加熱し、フタをしてを火を止めます。
そのまま冷めるまでおき、余熱で火を通します。
④オイルごと清潔な保存容器に移します。
冷蔵庫でひと晩(6〜8時間)おくと味がなじみしっとり仕上がります。
できあがり。
〈メモ〉
*弱火でじっくりと加熱すること、火を止めた後そのまま冷ますことが、ツナをしっとりと仕上げるポイントです。加熱しすぎるとパサパサした食感になることがあります。
*まぐろは切り落としてもOKです。薄切りだとパサついてしまうのでブツ切りがよいです。また、まぐろ以外でも、カツオやブリでもつくれます。まぐろはクセがなく、カツオは比較的魚の味がしっかりあり、ブリは上品な味わいになります。
*ハーブやスパイスは、他に、タイム、ローズマリー、ディル、セージ、クミンシード、オレガノ、フェンネル、ナツメグ、キャラウェイシード、ピンクペッパーなど、お好みでアレンジを加えてみてください。
また、玉ねぎ、セロリ、生姜などの香味野菜を加えると、また違った味わいが楽しめます。
〈食べ頃〉
すぐに食べられますが、冷蔵庫で6〜8時間ねかせると味がなじんでよりしっとりした食感になります。
〈保存〉
冷蔵庫で10日〜2週間ほどが保存の目安です。なるべく早めに食べ切りましょう。
〈応用メニュー〉
・このままおつまみとして。
・野菜と合わせ、漬けたオイル、にんにく、レモンもドレッシングに使ってサラダに。マヨネーズやポン酢との相性も◎。
・マヨネーズ、黒こしょうと合わせ、サンドイッチに。トーストにのせてチーズやトマトなどとオープンサンドに。
・漬けたオイルも使って、炒め物やパスタ、炊き込みご飯、炒飯。オムレツ、グラタン。
・ナムルや酢の物などの和え物、煮物など。
冬の保存食『まぐろの自家製ツナ』を使ったアレンジレシピ
旬の食材のこと
『鮪(まぐろ)』
鮪は古来から日本食に取り入れられていたと言われています。
なぜなら、縄文時代の貝塚からマグロの骨が見つかっているのだとか。
また、古事記や万葉集などにも鮪を扱った記述があるそうです。
古の時代から現代まで、好まれて食されてきた魚なのですね。
一口に鮪といっても、いろいろな種類があります。
鮪によって生息域が異なるため、種類によって旬の時期も変わってきます。
(鮪の旬とは、身に脂がのって味も濃く美味しく食べられる時期のこと。)
クロマグロ(本マグロ):
鮪の中でも高級とされています。日本近海で水揚げされるものに関しては主に冬の時期(12~1月)に旬を迎えます。
ミナミマグロ:
クロマグロに次いで高級品種といわれています。南半球にしか生息しておらず、オーストラリアやニュージーランド近海でとれたミナミマグロが「生」の状態で輸入される場合の旬は、春~夏にかけて(4~6月)となります。
メバチマグロ:
食卓に並ぶ機会が多く、国内流通量がもっとも多い品種でもあります。
日本近海でとれるメバチマグロの旬は秋~冬にかけて(10~12月)となります。
キハダマグロ:
西日本を中心に愛されているキハダマグロの産地は主に九州や四国などで、主に夏(6~8月)に旬を迎えます。夏にピッタリのさっぱりとした味わいです。
ビンチョウマグロ:比較的安く手に入れることができる鮪です。日本近海で水揚げされるビンチョウマグロは秋~冬(8~12月)に旬を迎えますが、年間通して脂ののり方に大きな差はありません。
種類ごとに鮪の旬を述べてきましたが、鮪は回遊魚のため産地によっても微妙に旬の時期が異なるそうです。
また、スーパーに並んでいる鮪のほとんどは、冷凍したものを解凍して出されています。
冷凍技術や輸送が発達している現代では、いつでも旬の鮪が市場に流通しており、いつでも美味しい時期になるのだそうですよ。
冷凍鮪と聞くと、生の鮪より味が落ちると思われがちですが、一概にそうとは言えないようです。
水揚げされた鮪は、船上で瞬間冷凍されるため細胞が破壊されることなく鮮度を保つことができます。
瞬間冷凍された後は、マイナス60度の超低温冷凍庫で保存され、2年くらい品質を保ったまま保存することが可能になるのだそうです。
凄い技術ですね。
生の鮪が流通する時間経過とともに劣化することを考えると、冷凍マグロの方が新鮮である・・・という考え方をする人もいるようです。
鮪の名前の由来は、実のところはっきりしていないそうでうが、由来だと推察されている説はいくつも存在しています。
≪鮪の特徴から「まぐろ」と呼ばれるようになった由来≫
・目が大きく黒いことから「眼黒」→「まぐろ」
・船の上から背が黒いマグロが群れで泳いでいると、真っ黒な小山のように見えたことから「真っ黒」→「まっくろ」 →「まぐろ」
≪鮪という漢字になった由来≫
・鮪(まぐろ)の漢字ついている「有」には「外側を囲む」という意味があり、鮪は海を囲むように大きく回遊することから
・昔の人が鮪に対して「ここに魚有り」と褒めたたえたという由来
・鮪は大きいので、たくさんのお刺身がとれ『お肉がたくさん有ります』という意味から“月=にくづき”で、鮪(まぐろ)。
由来って、先人たちが暮らしの流れの中で創り出していったもので、それが広く定着していくという、とても興味深いものだなぁ、といつも思います。
最初は、「誰か」が言い出したことなんですよね。
それが、長い年月の間に「あるもの」の「名前」になってしまうのですから、壮大な物語ですよね。w
ところで、唐突ですが…
どうして「ツナ缶」は「マグロ缶」ではないのでしょう?
ツナ缶の“ツナ”は、英語の“tuna”ですね。
この“tuna”は日本語に翻訳すると「鮪」という意味を持ちますよね。
では、なぜ?
実は、市販のツナ缶は「カツオ」が原料として使われている場合が多いのだそうです。
カツオはマグロ属の魚で、英語圏の方からすればまぎれもなく”tuna”です。
ツナ缶にカツオが使われるようになったのは1980年頃で、このころからマグロの漁獲量が減少しはじめたため、安定して獲れるカツオで代用されるようになったのだとか。
12月 【和風月名 師走】
【二十四節気・七十二候】についてはこちら
【冬の保存食レシピ】師走(12月)《まぐろの自家製ツナ》
Yorumlar