
春の保存食『味噌ごぼう』を使ったアレンジレシピです。
ごぼうの香りと甘み、歯ごたえを楽しみつつ、肉と味噌の旨みがごぼうによく染み込んで、ご飯がすすむおかずです。
味噌漬けだれも使うので、生姜の風味もほのかに効いて、たっぷり加えた白いりごまの風味と食感がアクセントになっています。
常備菜としてもお弁当のおかずにもとっても重宝する一品です。
《材料》2〜3人分
・味噌ごぼう:80g(味噌漬けだれを拭ったもの)
・人参:1/4本(40〜50g)
・豚挽き肉:50g
・ごま油:大さじ1/2
・味噌ごぼうの味噌漬けだれ:大さじ1
・白いりごま:大さじ1
・絹さや(塩茹で):2〜3枚(トッピング)
《つくり方》
①味噌ごぼうは味噌漬けだれを拭い、千切りにします(斜め薄切りでも)。
人参は千切り、絹さやは1分ほど塩茹でして斜め切りにします。
②フライパンにごま油を入れて中火で熱し、人参を入れてしんなりするまで炒めます。豚挽き肉を加えて炒め、挽き肉の色が変わったら味噌ごぼうを加えて炒め合わせます。
味噌ごぼうの味噌漬けだれを加えて全体を絡め、白いりごまをふり入れて混ぜ合わせます。
③器に盛り、絹さやを添えます。
*れんこん、筍、じゃがいも、こんにゃく、赤唐辛子などを加えても美味しいです。
*クリームチーズとの相性がとってもよいので、クリームチーズをたっぷり塗ったバゲットに挟んだりのせたりして食べるのもおすすめですよ!

旬の食材 のこと
『ごぼう』

ごぼうが日本に入ってきたのは縄文時代という説や平安時代など諸説あります。
ヨーロッパや中国では古くから薬用として用いられてきたそうですが、食用の作物として栽培してきたのは日本だけで、台湾や朝鮮半島などで食用にされているのは日本人が伝えたものだそうです。
関東は耕土が深く水はけがよいため長いごぼうが栽培されているのに対し、関西は耕土が浅いため葉ごぼうや短いごぼうが栽培されてきました。
今では一般的にごぼうといえば長いものが中心になっています。
私たちがスーパーなどでよく目にするのは「滝野川ごぼう」という品種のごぼうです。
1メートル前後の長さに生長し、細長くしなやかな見た目と豊かな香りが特長です。
関東を中心に最も多く栽培されていて、東京都の滝野川が発祥であることから「滝野川ごぼう」と名付けられました。
滝野川ごぼうの旬は11月~2月ごろの比較的寒い時期ですが、貯蔵性が高いため旬の時期以外も安定して店頭に並んでいます。

一方、12月ごろから初夏にかけて、滝野川ごぼうより薄い色味の「新ごぼう」が出回ります。
柔らかく香りが良いのでまた違った味わいが楽しめます。

新ごぼうは滝野川ごぼうを早い時期に収穫したもので、長さは30cmほどとやや短めです。
サッと火を通すだけで食べられるやわらかい食感が特徴です。
柳川鍋には欠かせない食材として知られていますね。
新ごぼうの旬は4月~6月ごろです。
春から初夏に栽培されることから「春ごぼう」「夏ごぼう」と呼ばれることもあります。
関西を中心に食べられている「葉ごぼう(若ごぼう)」は、ごぼうと聞いて多くの人がイメージする滝野川ごぼうや新ごぼうとは全く異なる見た目をしています。

葉ごぼうは大きな葉と長い茎、短い根が特徴で、根はもちろん葉や茎まで丸ごと食べられます。
シャキシャキとした歯ごたえとほろ苦さが魅力といえるでしょう。
主に大阪府八尾市や香川県高松市などで栽培され、1月~4月ごろに旬を迎えます。
ごぼうは水溶性、不溶性共に食物繊維を豊富に含み、便秘の解消に効果が大きいといわれています。
多糖類のイヌリンや繊維質のセルロース、リグニンの含有量は、野菜の中でトップクラスです。
いずれも便秘の解消や腸内環境を整える効果が高いです。
食物繊維に含まれる炭水化物の一種イヌリンは、チコリや春菊などにも含まれていますが、特にごぼうには沢山含まれています。
これは血糖値を改善する働きや、ビフィズス菌の成長を促し整腸効果があるといわれています。
ごぼうは泥が付いていると乾燥を防ぐことができ、洗いごぼうよりも風味や鮮度が長持ちします。
すぐに使うのでなければ泥付きのものを買うといいですね。
ごぼうは鮮度が落ちてくると、表面に割れやシワができてきます。
できるだけデコボコのない、ツルンとした見た目のものを選ぶことがポイントです。
また、ひげ根が多いごぼうは古い可能性があるため、ひげ根が少なく、なるべく先の方まである程度の太さがあり、しっかりとハリがあるものを選びましょう。
新ごぼうは葉や茎が付いたまま売られているものもあります。
葉や茎がハリとみずみずしさがあるものを選びましょう。
全体的に白っぽい色味で、傷んで変色している部分がないか確認しましょう。
土が付いたままの方が日持ちしやすいので、保存する場合は洗わず、そのまま新聞紙などにくるんで袋に入れ冷蔵庫か冷暗所においておきます。
時間と共に風味が落ちてくるので、早めに食べましょう。
また、さかがきにして冷凍しておいても便利です。
調理をする際には、ごぼうをタワシなどで洗い土を落とします。
皮やそのそばに香りや栄養素が含まれているので、皮を剥きすぎずに調理しましょう。
ごぼうはアクが強く、切った途端に茶色く変色してきます。
これはポリフェノールと酵素が結合してタンニン鉄に変化してしまうからです。
こうなるとえぐみなどが出てしまいますので、えぐみが気になる場合は、切ったらすぐに水か酢水にさらします。
ただし、アク抜きをしようと水や酢水に長時間さらしてしまうと、ポリフェノール類も一緒に流れ出し、ごぼう特有の香りも飛んでしまいますので、水に浸す時間を30秒~1分程度に抑え、さらしすぎないようにしましょう。
アク抜きは本来えぐみや変色を抑えるためにする下処理ですが、きんぴらごぼうなど味付けの濃い料理に使う場合や、切ってからすぐ調理に使う場合は必ずしもアク抜きをしなくても構いません。
4月 【和風月名 卯月】
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【味噌ごぼうのアレンジレシピ】『肉味噌きんぴらごぼう』
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