
トマトは一年中食べられますが、日本での露地栽培の旬は6月~8月の夏といわれています。
ですが、本来トマトは高温多湿に弱く、冷涼で強い日差しを好む野菜のため、実は、一番おいしい時期は、春から初夏と秋だともいわれているのです。
この時期、太陽の光をたくさん浴び、比較的乾燥した気候の中でトマトは糖度をあげ、栄養価も最も高くなるのだそうです。
トマトの保存食や調味料づくりは、夏だけでなく、秋も適した時期なのですね。
より旨みや甘みが強いトマトを使い、コトコト煮詰める作業をするなら、秋につくるのもいいかもしれませんね。
今回レシピをご紹介するのは、麹甘酒、みりん、お酢、醤油といった発酵調味料を加えた、酸味と甘さが控えめで旨味たっぷりのトマトケチャップです。
完熟のトマトと香味野菜、スパイスをじっくり煮詰め、トマトのおいしさをギュッと凝縮します。
余計なものが入っていない、自家製ならではの格別な味と香りをぜひ味ってみてください。
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《材料》できあがり量 約600ml
・トマト(完熟)…中玉5個(1kg)
・玉ねぎ…1/2個
・セロリ…50g
・にんにく…1かけ
〈A〉ローリエ…2枚
〈A〉ナツメグパウダー…小さじ1/3
〈A〉シナモンパウダー…小さじ1/3
〈A〉クローブパウダー…小さじ1/3
〈A〉タイム(ドライ)…小さじ1/4
〈B〉塩…大さじ1
〈B〉みりん…大さじ3
〈B〉醤油…大さじ1・1/2
〈B〉こしょう…少々
・麹甘酒…70g
・酢(米酢、りんご酢、白ワインビネガーなど)…60ml

《作り方》
①トマトはヘタを取り皮付きのままざく切り、玉ねぎ、セロリ、にんにくもざく切りにします。
②①をミキサーに入れてなめらかになるまで攪拌します。
③鍋に入れて中火にかけ、煮立ったら弱火にして時々混ぜながら、全体がぽってりとするまで30〜40分ほど煮詰めます。
④〈A〉のスパイスを加え、さらに10分ほど煮ます。
⑤〈B〉の調味料を加え、好みの濃度になるまで煮詰めます。
最後に麹甘酒と酢を加え、塩、酢で味を調え、ひと煮立ちしたら火を止めます。
⑥ローリエを取り除き、粗熱が取れたら清潔な保存びんに入れます。
〈メモ〉
*つくってすぐに使えますが、冷蔵庫で2〜3日くらいおくとより美味しくなります。
*何種類かのトマトをミックスすると味に深みが出るのでおすすめです。
*ペースト状の麹甘酒を使うとより滑らかな仕上がりになります。
*自家製ですから、ぜひ自分好みの風味に調整してください。
赤唐辛子や一味唐辛子、タバスコなどで辛味を加えたり、りんご(1/4個くらい)加えて甘さを足したり。
お酢をレモン汁にしたり、麹甘酒を砂糖にしたりしてもいいです。
旬の食材のこと
『トマト』

通年市場にありますが、冬から初夏に採れる冬春トマトと、夏から秋にかけて採れる夏秋トマトがあるそうです。
特に春から初夏にかけては、日光をたくさん浴びて、比較的乾燥した気候の中でトマトの糖度があがり、味も濃くなる上、栄養価も最も高くなります。
お店で選ぶ際はへたが緑でぴんとしているものを。
乾燥して縮れているようなものは収穫してから時間が経っていると言えますので選ばないようにしましょう。
また、お尻の先から上のヘタに向かって何筋も放射線状に筋が見えるものは糖度が上がっているトマトなのだそうですよ。
トマトの赤い色の元はリコピンといわれる色素です。
リコピンとは、植物などに含まれる赤色やオレンジ色の色素成分、カロテノイドのひとつ。
β-カロテンなどの仲間といえば分かりやすいですね。
リコピンはそのカロテノイドの中でも抗酸化作用が高く、同じく抗酸化作用を持つビタミンEの100倍以上!
美肌目指して積極的にとりたいですね。
リコピンは油に溶けやすい性質のため、油と一緒に食べると体内への吸収率がアップ!
さらに、加熱により吸収率が高まるので、トマトソースや、シチュー、スープなど、加熱調理して食べるのがおすすめです。
6月 【和風月名 水無月】
【二十四節気・七十二候】についてはこちら
【夏の保存食レシピ】水無月(6月)《トマトケチャップ》
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