今回ご紹介する秋の保存食は『秋刀魚のオイル煮』です。
オイルサーディンの秋刀魚バージョン。
旨みが凝縮された旬の秋刀魚は、秋の味覚の代表的な魚ですよね。
オリーブオイルやハーブとの相性がよく、これらでじっくりと煮るオイル煮は、一番美味しいこの時期の秋刀魚を、できるだけ長く味わうことができる保存食です。
そのままでもおかずやおつまみになりますが、お料理のアレンジもしやすいです。
にんにくやハーブのきいたオイルも重宝します。パンやパスタにからめても美味しいですよ。
【材料】約500ml容量の保存びん1本分
・秋刀魚:3尾
・粗塩:小さじ1
・酒:大さじ2
〈A〉オリーブオイル:150〜200ml(調整)
〈A〉米油またはサラダ油:150〜200ml(調整)
〈B〉にんにく(スライス):2かけ分
〈B〉ローリエ:2枚
〈B〉赤唐辛子(種取って小口切り):1本
〈B〉タイム(フレッシュ):5〜6本
〈B〉黒こしょう(ホール):5〜6粒
【つくり方】
① 秋刀魚は、頭と尾を落とし、内臓を取り除いて水洗いし、2〜3等分にブツ切りにします。キッチンペーパーなどで水気をおさえ、バットに並べて両面に塩をふり、ラップをかけて冷蔵庫で15分ほどおきます。
◎下味をつけると同時に、秋刀魚から余分な水分を出すことで保存性を高めます。
② キッチンペーパーなどでしっかり水気をおさえます。再度バットに並べて酒をまぶし、ラップをかけて冷蔵庫で15分ほどおきます。
◎酒が魚の臭いの原因となる成分と結びついて外に出し、臭みをとります。また、身をふっくらさせます。
③ キッチンペーパーなどでしっかり水気をふき取り、厚手のフライパン(または広口の鍋)に、〈A〉を入れ、秋刀魚を重ならないように並べて〈B〉を加えます。
秋刀魚全体が浸るくらいにオイルの量を調整してください。
◎オリーブオイルだけだと香りが強いので、クセや香りの少ない油とブレンドします。
④中火でゆっくりと加熱し、フツフツとしてきたら極弱火にし、アクが出たら取り除きながら、10〜15分オイル煮します。秋刀魚の中まで火が通ればOKです。
◎極弱火はオイルが沸騰しないくらいが目安。極弱火で煮ると秋刀魚がやわらかく仕上がります。
◎火を通しすぎると秋刀魚の身が固くなってしまいます。
⑤粗熱を取り、清潔な保存びんなどの容器にオイルごと入れて、冷蔵庫で保存します。
◎秋刀魚がオイルにしっかりと浸かっている状態にし、容器のフタをしっかりと閉めてください。秋刀魚が空気に触れた状態が続くと腐敗の原因になります。
〈食べ頃〉
すぐに召し上がれます。
〈保存〉
秋刀魚がオイルにしっかり浸かっている状態なら、冷蔵庫で2〜3週間ほどが保存の目安です。
〈応用メニュー〉
・そのまま前菜やおつまみとして。キリッと冷やした白ワインによく合います。
・パスタ、サラダ、マリネ、カナッペ、サンドイッチ、ドリア、チーズ焼き、香草パン粉焼きなど。
・きのこ、トマト、玉ねぎ、根菜類などと相性がいいので一緒に調理。
・オイルは、そのままパンにつけたり、パスタやソテーなどの料理の調味料とし活用できます。
秋の保存食『秋刀魚のオイル煮』を使ったアレンジレシピ
旬の食材のこと
『秋刀魚(さんま)』
秋にとれる魚で、形も色も刀に似ていることから、漢字では「秋刀魚」と表記されます。
販売時期は毎年9月〜10月のおよそ1ヶ月だけとなります。
漁獲される時期により、脂肪の含有量に差が出ます。
9〜10月に三陸沖から房州沖で漁獲されるものが、脂がのった最高品といわれているそうです。
ちなみに三陸では9月の走りは価格が倍程で取引されますが、水揚が安定する中旬には価格は半額程度まで下がってくるそうですよ。
鮮度や品質の見分け方は、
・背は青黒く、腹は白銀色でキラキラして、境界がくっきりしているもの ・身が固く、持ち上げたときにへたらないもの ・口の先と尾の付け根がほんのり黄色かオレンジ色
・目が濁っていないもの
などがあります。
秋刀魚は餌を食べてから排出するまでの時間が短いために、内臓にえぐみがなく、「はらわた」も美味しく食べられるのが特徴です。
塩焼きも、輪切りにして煮付ける時も、はらわたを出さずに使いましょう。
「さんまが出ると按摩が引っ込む」ということわざをご存知ですか?
“さんまを食べる時期には人々が健康になり、もみ療治の必要がなくなる“という例えになるほど、昔から栄養価が高い食材とされていたということですね。
9月 【和風月名 長月】
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【秋の保存食レシピ】長月(9月)《秋刀魚のオイル煮》
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