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【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》

秋がだんだんと深まり、柿がおいしい季節になりましたね。

そのまま食べるのもいいですが、干し柿にするとまた違った美味しさになり、それを長い間楽しむことができます。それだけでなく、栄養価や甘みが増し、さらにお料理やスイーツとして活用することもできますよ♪

干し柿づくりに最適な低い気温と湿度が少ないこの時期に、ぜひつくっていろいろな食べ方を楽しんでみませんか。


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》

干し柿というと、秋の田舎の風物詩というイメージがありますが、ご家庭の軒下やベランダなどでも手軽につくれるんです。スペースに合わせて少量でもつくれますので、季節の手仕事として秋を楽しんでみませんか。


渋柿は干すことによって、渋味の素となるタンニンが水溶性から不溶性に変わります。

そうすると、食べた時に口の中でタンニンが溶け出ないので渋味を感じなくなるのだそう。

渋柿はもともと甘柿よりも糖度が高いので、渋味を感じなければとっても甘く感じることができるというわけです。干し柿にして渋を抜く方法を見つけ、保存食にしたという素晴らしき先人の知恵!ですね。


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》

《材 料》柿の数は何個でも。つくりやすい量でどうぞ。


・渋柿(枝はT字に残します)・・・ 20個くらい(お好みの量で

・ヒモ・・・ 80cmくらい×4本(20個の場合/1本に5個ずつ吊るします)



《つくり方》


ハサミで柿のガクを切り取ります。ヘタの周りの皮をギリギリまで剥くので、浮いているヘタはできるだけ切り取ってください。


②柿の皮を剥きます。細長い形の柿はピーラーで先の方からヘタに向かって縦に、平たい形の柿はくるくるとリンゴのように剥きます。ヘタの周りは包丁の方が剥きやすいです。

包丁を使う場合は、鋼の包丁だと鉄と柿のタンニンが反応して黒くなってしまうので、ステンレス製のものがよいです。

柿の皮は捨てずにとっておきましょう。(*別途「柿の皮茶」レシピあります)


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》

柿の枝にヒモを結びます。粗く編んだ太いヒモの場合は割いて、またはヨリを開いて、間に枝を通して引っかけます(下記写真参照)。

干した時に柿同士がくっつかないように、柿と柿の間隔は10cmくらいあけて結びます。

今回は80cmくらいの長さのヒモに5個くらいずつにしました。


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》

雑菌の繁殖を防ぎカビにくくするために、柿をひとつずつ焼酎やブランデーなど度数の高いアルコールにくぐらせるか、沸騰したお湯の中に5秒間くらい浸けます。熱湯につけると柿の色が黒ずむのを抑える効果もあるそうです。


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》

⑤風通しがよく、雨に濡れない場所(軒下や屋根のあるベランダなど)で天日干しします。

物干し竿や洗濯用ハンガーなどに、柿同士がくっつかないように間隔をあけて吊るします。

直射日光が当たりすぎると柿の表面が黒くなりやすいので気をつけてください。


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》

⑥4〜5日ほどして、柿の外側が乾いてしんなりしてきたら、柿を指で押すようにして軽く揉みます。強く押しすぎると皮が破れたり傷がついたりてしまうのでやさしく丁寧に。

その後、2〜3日おきくらいに揉むとよいでしょう。

揉んでやわらかくすると、渋味が早く抜けて、甘みが全体にいきわたるといわれています。


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》

⑦柿の種類や大きさ、干す環境にもよりますが、だいたい1〜2週間くらいで渋が抜けて食べられるようになります。

早めに引き上げるとあんぽ柿、1ヶ月くらい干すと固めの干し柿になります。

好みの具合になったら引き上げて、一つずつ枝をハサミで切ってヒモから外します。


⑧すぐに食べない場合は、一個ずつラップに包んでジッパー付き保存袋などに入れ、なるべく空気に触れないようにして冷蔵または冷凍保存します。



〈メモ〉

冷凍すると、長く保存できるだけでなく、乾燥させずに熟成が進むため、さらに甘味が増して味わい深くなります。冷凍で1週間以上おくと美味しくなります。

糖度が高く冷凍してもカチカチにはならないので、常温で少し置いておけば食べられる状態になります。


*天日干しの際にカビを防止するには、風通しのよさが最も重要です。そして、湿気のない乾燥した日が続く時に干しましょう。雨の日は濡れない場所に取りこんでください。


*もし雨に濡れてしまった場合は、つくり方④ の工程を行ってから、また干します。

カビてしまった場合は、カビをていねいに取り除いてから④ の工程を行って干します。


*T字の枝がついていない柿の場合は、皮を剥いた後、ヘタを下にしてザルの上にのせて干すか、みかんネットなどに入れて吊るすとよいです(下記写真参照)。


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》


〈食べ頃〉

柿の種類や大きさにもよりますが、干し始めて1〜2週間くらいで中がとろっとしたあんぽ柿ができます。

1ヶ月〜1ヶ月半くらい干すと水分の抜けた固めの干し柿になります。かたさはお好みで。


〈保存〉

常温(風通しのよい冷暗所)では、ラップやキッチンペーパーに包んで5日間くらいが目安。

あんぽ柿は常温保存は不向きなので、すぐに冷蔵庫か冷凍庫へ。

冷蔵の場合は、一個ずつラップに包んでジッパー付き保存袋などに入れて約1ヶ月保存可。

冷凍の場合は、約3ヶ月保存可。自然解凍して食べます。



・酢の物、なます、サラダ、和え物、白和え、野菜と塩漬け。

・衣をつけて天ぷらにしても美味しい。

・ラム酒漬け、ブランデー漬け、シロップ漬け、ジャム、紅茶煮、などに。

・細かく刻んでパンや焼き菓子、アイスやヨーグルトに入れる。

・きな粉、シナモンパウダー、バター、メイプルシロップなどをかけてアレンジ。

・チーズとの相性が良いので合わせて、チーズケーキ、チーズパイ、チーズ和え、ディップなど。


 


【柿の皮は捨てないで! 

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柿の皮茶

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柿の皮にも実と同じくビタミンCやビタミンAがたっぷりで、乾燥により甘みと旨みが凝縮されます。

柿を剥いたあとの皮は捨てずに乾燥させてお茶にして飲みましょう♪

ほんのり甘い緑茶のような味わいです。


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》柿の葉茶

《材 料》


・柿の皮・・・ 適量

・お湯・・・ 適量



《つくり方》


①干し柿を作る際に剥いた皮は、とっておきます

柿の皮を干し網などに入れるかザルに広げて、干し柿と一緒に天日干しします。


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》柿の葉茶

②皮の水分が完全に抜けてカラカラに乾燥したら引き上げます。

オーブンやレンジ、ノンフライヤーを使っても。

オーブンを使う場合は、110度で90分くらいカリカリになるまで焼きます。


③乾燥した柿の皮をミルなどで粉砕します。


④柿の皮の粉末を大さじ1カップに入れて、お湯を150ml注いでかき混ぜます。



〈メモ〉

乾燥させた柿の皮はほんのり甘く、長く保存ができ、いろいろな使い方ができます。

そのままポリポリとチップスとして食べてもいいし、煮物や漬け物を作るときに加えると、柿そのものの甘みでとても美味しく仕上がります。


粉砕したものは、ヨーグルトなどのトッピングやドレッシングなどに使えます。柿の風味が残り甘みがあるので、パン生地に練り込んだり、パウンドケーキやクッキーの生地に入れてもいいですね。


柿の皮を乾燥させずに食べる場合は、天ぷらやきんぴらにすると美味しくいただけます。


〈保存〉

湿度の高い場所を避けて常温で保存。風味を保つには1ヶ月間くらいを目安に使いきりましょう。




 

の保存食おうちでできる干し柿』を使ったアレンジレシピ



【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》



 

の保存食おうちでできる干し柿』を使ったアレンジレシピ



【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》



 

の保存食おうちでできる干し柿』を使ったアレンジレシピ



【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》


 

旬の食材のこと

『柿』


柿

柿は中国や日本など東アジアが原産と言われています。

古くから日本で多くの品種が生まれ、「kaki」として、アジアやヨーロッパでも名前が通用しているほど、国内外問わず人気のある日本を代表する果物といえます。


柿は早いものは8月中旬頃から収穫が始まり、富有柿などは11月から本格的な収穫期に入ります。

最も沢山の種類が店頭に並び、出盛りとなる旬の時期は10月から11月といわれています。


柿は"甘柿"と"渋柿"に分けられ、中には"不完全甘柿"といわれるものもあります。

不完全甘柿とは種子が入ると渋が抜けて甘くなり、種子が入らないと渋が残る柿のことをいうそうです。

柿の品種は1000種近くあると言われていますが、甘柿の種類はその中で20種類足らずです。


甘柿の代表は「富有柿」。甘柿生産量の約80%を占めています。


柿

甘柿と渋柿との違いは、渋味の原因であるシブオール(タンニン)の状態にあります。

よく実の中にゴマといわれる黒い斑点が見られますが、これはシブオールが固まったものだそうです。


どちらも同じくらい含まれていますが、甘柿の場合は水に溶けない状態(不溶性タンニン)になっています。

一方渋柿は、このシブオールが水に溶けた状態(水溶性タンニン)のまま残っているため、食べると口の中で渋味を感じます。


渋柿は収穫の後、「渋抜き」といわれる工程を経て市場に出すということになります。


渋柿の脱渋方法をいくつかご紹介します。


1.温泉処理

古くから伝わる方法で、約40℃の温湯に12~24時間浸けます。

鹿児島県紫尾(しび)温泉などでは温泉に一晩浸して脱渋された柿を「あおし柿」と呼ばれています。


2.アルコール脱渋

柿のヘタの部分を焼酎など30~40%のアルコールにつけ、ビニールの中に入れ1週間程密封しておきます。


3.炭酸ガス脱渋・ドライアイス法

果実温度を20~25℃に保ち、90%濃度の炭酸ガス内に24時間密封します。

ドライアイスを用いて炭酸ガスを発生させる方法が通常よく使われているようです。



柿には栄養が豊富に含まれており、「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われるほど栄養価が高く健康食品として非常に優れているといわれています。


どの品種にもペクチン、βカロテンをはじめβ-クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、リコピンなどのカロテノイド、ビタミンCを多く含みます。食物繊維も豊富です。


ビタミンCは、なんと、みかんやいよかんなどの柑橘類の約2倍も含まれているのだそうです。

大きめの柿1個で1日分のビタミンCの必要量をほぼ摂取することができるといわれていて、疲労回復、かぜの予防、ガン予防、老化防止に効果が期待できますね。


ビタミンCとタンニンには血液中のアルコール分を外へ排出する働きや副腎機能低下を防止する働きがあるそうです。また、酵素(カタラーゼ、ペルオキシダーゼ)がアルコールの酸化、分解を促すなど、二日酔いの防止もによさそうです。

ただし食べすぎると、体を冷やしたり、消化不良、便秘などの症状があらわれることもあるそうなので注意しましょう。



店頭にて選ぶ際は、実はかためで皮の色とつやが良く張りのあるもの、ヘたが緑色でしっかりついているものを選びましょう。

白く粉を吹いたようになっているものはブルームと言い、ブドウなどでも見られるように完熟した果実によく見られる自然現象です。


渋抜きの工程を経た柿は、その後もエチレンガスを出しながら熟してどんどん柔らかくなっていくので、買ったら早めに食べましょう。


でも、すぐには食べられない!という方に。

柿をシャキシャキした食感のまま保存する方法をご紹介します。

柿はヘタの部分で呼吸し、ここから水分が蒸発していくので、保存する時に水を含ませたキッチンペーパーなどをヘタの部分に当てます。

ヘタが下になるようにして袋などに入れて冷蔵庫に入れておくと2〜3週間くらいはシャキシャキした状態のまま保存することができるそうです。



さらに長期保存する場合は冷凍保存もできますので、その方法をいくつかご紹介します。


1.柿を丸のまま冷凍

熟しすぎたものは、冷凍するとシャーベットのようになり美味しくいただけます。

皮もヘタも付いたまま凍らせ、食べる時は半解凍して、ヘタが付いている上の部分を蓋の様に少し切って、スプーンなどですくって食べます。


2.柿を食べるサイズに串切りなどにして冷凍

解凍して食べやすいように、皮を剥き、種も取り除き串切りなどにしてラップを敷いたバットなどに重ならないように並べて冷凍します。凍ったら密封容器やジッパー付き保存袋などに入れて再度冷凍保存します。

食べたい分だけちょっとずつ取り出しやすく、種も取ってあるので、そのままスムージーなどに使うこともできます。


3.柿をピューレにして冷凍

皮を剥いて種を取り除いてからミキサーなどにかけ、ピューレ状にして冷凍する方法です。

ジッパー付き保存袋などに入れて、空気を抜き平たく板状にした状態で凍らせます。


いろいろな保存方法がありますが、柿の状態や食べ方などにより、お好みの方法でぜひお試しください。



 



11月 【和風月名 霜月】








 









【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《おうちでできる干し柿》

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