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【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《柚子味噌》

執筆者の写真: morinonemorinone

【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《柚子味噌》

緑色だった柚子がだんだんと黄色くなってくると、いよいよ寒くなるなぁ、ゆずを楽しむ季節になるなぁと冬の始まりを感じます。


柚子の爽やかな香りや酸味は、お料理に華やかなアクセントをプラスし、食卓に季節感を添えてくれますよね。


皮も果汁も柚子を丸ごと使って保存食をつくっておけば、これから年末年始にかけてのお料理に大活躍しますよ!




フレッシュな柚子の皮と果汁をたっぷり使い、爽やかな香りを活かした柚子味噌。


白みその甘めでこっくりとした味わいに、柚子の爽やかな風味がとてもよく合います。


ふろふき大根をはじめ、茹でた野菜や豆腐などに添えればいつもの料理がちょっと上品な味わいに。肉や魚にのせて焼くだけで香り豊かな一品になる便利なおかず味噌です。


簡単に手作りできるので、旬の黄柚子が手に入った時にぜひお試しいただきたい一品です。


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《柚子味噌》


《材料》約200ml 容量の保存びん1本分


・黄柚子・・・ 大1個

〈A〉白味噌・・・ 150g

〈A〉みりん・・・ 大さじ3

〈A〉きび砂糖・・・ 大さじ2

〈A〉酒・・・ 大さじ2



《作り方》

①柚子はよく洗って水けを拭きとり、黄色い皮の部分をすりおろします。

横半分に切って果汁を絞り、こして種を取り除きます。


②鍋に〈A〉を入れて、焦げないように鍋底から木ベラなどで混ぜながら弱火にかけます。

とろみと照りが出て、混ぜた時に鍋底が見えるくらいの固さになったら、①の柚子皮と果汁を加えて、混ぜ合わせながら1〜2分したら火を止めます。


③粗熱が取れたら、清潔な保存容器に入れて冷蔵庫で保存します。



〈食べ頃〉

つくってすぐに食べられます。


〈保存〉

冷蔵庫で1ヶ月間ほどが保存の目安です。


〈メモ〉

*白味噌以外でも、甘味の強いタイプの味噌がおすすめですが、お好みの味噌でアレンジできます。使う味噌によって砂糖の量を調整し好みの味に仕上げてください。

*冷めると少し固めになります。火入れ具合でお好みの固さに調整してください。


〈応用メニュー〉

・豆腐や厚揚げ、こんにゃく、ナスなどの田楽に。味噌を軽く炙るとより風味が増します。

・ふろふき大根、茹でたかぶや里芋に添えたり、おでんや鍋や煮物にも。

・おむすびや団子に塗って軽く焼くのもおすすめです。

肉や魚の調味ダレとしても重宝します。

   鶏肉や豚肉の柚子味噌漬け焼き。 ゆで豚のゆず味噌添え、豚のゆず味噌角煮など。

   サワラなどの魚を漬けこんで焼くと爽やかな風味が足されて美味しいです。

・和え物にも。白和えに加えたり、お酢を加えてわかめやネギ、タコのゆず味噌ヌタなど。

・マヨネーズと1:1で合わせてゆず味噌マヨ。果汁などの酸味を加えればドレッシングにも。

・和風ピザソース、ゆず味噌トーストなど。




 

の保存食柚子味噌』を使ったアレンジレシピ



【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《柚子味噌》



 

の保存食柚子味噌』を使ったアレンジレシピ



【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《柚子味噌》




 

旬の食材のこと

『柚子』


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)柚子

柚子はミカン科ミカン属の果実で、海外でも「ユズ」と呼ばれています。

奈良時代から栽培されていて、歴史の古い柑橘です。

酸味がとても強いので、みかんのように生食には向かない果実ですが、フレッシュで清々しい香りが高く、お料理の脇役として香り付けに使われたり、果皮を薄く剥いて料理に色味を加えたり、五感を楽しませてくれますね。


柚子は5~6月に白い花を咲かせ、7~8月の夏の時期に青玉と呼ばれる緑色の未熟な青い実を収穫します。

青玉は、薬味として使われるのが一般的です。


その後、果実は熟成して11月中旬~1月には成熟した黄色い実が収穫されます。

11月中旬~12月に収穫の最盛期を迎え、この頃が黄柚子の旬と言われます。


柚子の木には長く鋭いトゲがあることをご存知でしたか?

風などで枝が揺れることにより、果実に傷がつくことがあります。

結構堅いトゲなので、収穫時には手を傷つけないよう注意が必要です。

柚子の生長に影響はないので、毎年お庭で収穫をされる方などは、この棘を取っておくと良いかもしれません。


日本には、冬至(太陽暦の12月21日頃)にお風呂に柚子を浮かべて柚子湯につかる風習がありますね。

これは、柚子には血行を促進し体温を上げる効果があるため、柚子湯に入るとその冬は風邪を引かずに過ごせると言われることのほか、柚子の強い香りが邪気を払うという言い伝えから生まれたものです。


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)柚子

子供の頃、お風呂の蓋を開けて、ぷかぷかと浮かぶ柚子の様子や香りが嬉しくてテンションが上がっていたことを思い出します。

こういった五感にうったえて記憶に残るような風習は、ぜひとも長きにわたって受け継がれていって欲しいものですね。


柚子はカリウムやビタミンC、クエン酸が豊富です。

ビタミンCには風邪の予防や疲労の回復、肌荒れなどに効果があります。

皮の方が栄養価は高く、ビタミンCを多く含んでおり、果汁の4倍近く含まれているそうです。


柚子の白い綿の部分や筋の部分には、ヘスペリジンというポリフェノールの一種が多く含まれています。

このヘスペリジンが、血管を強化し、むくみなどを防ぐ役目があるそうですよ。

また、血流を改善する役目もあり、肩こりや冷えの改善が期待できますね。


少し苦味が出ますが、皮や綿ごと砂糖に漬けてシロップにして飲めば、その栄養も摂ることができそうですね。

シロップをつくった後の皮や綿などは、ネットに入れてお風呂に浮かばせると柚子湯と同じ効能が期待できます。

本当に無駄にするところのない果実ですね。

古くから日本人に親しまれていたのも、その効果効能を見れば納得です。


苦味をもつ物質リモノイドは、抗がん作用・悪玉コレステロール抑制作用があり、精油成分やクエン酸・ビタミン類が相乗的に働き、リウマチ・関節炎などの腫れや痛みを緩和する働きもあるそうですから、除いてしまうなんてもったいない!ですね。


柚子の種の表面のヌルヌルした部分は、ペクチン質と呼ばれるもので、水溶性の食物繊維です。

これには整腸作用があり、下痢や便秘を予防する効果や、血糖上昇の予防やコレステロール値のコントロールをする働きがあるとされています。

また、血行を促進するピネンやリモネン、抗炎症作用のあるナリンジンなども含まれます。

これらの作用で血液の循環も良くなり、冷え性やリウマチの症状が改善されると考えられています。


柚子の種から化粧品をつくりたい場合は、実から取り出した種を焼酎につけて1〜2週間漬け込み、冷暗所に置きます。時々混ぜて、液体がトロッとしてきたらザルなどで濾して、精製水などで薄めて使います。

その後の種も捨てずに袋などに入れてお風呂に入れて使えば肌がしっとりとしますよ。

リモネンという香り成分は、大脳に直接働きかかけて、気持ちをすっきりさせる、ストレスを和らげるなどのリラックス効果が期待されます。そのため、柚子から抽出されるアロマオイルは、病院や介護施設でのアロマセラピーに利用されているのだそうです。


店頭で選ぶ際には、手に持った時に、実に張りがありブヨブヨしていないものを選びます。

ヘタの部分を見て、切り口が新しく茶色くなっていないか確認し、良い香りがしているか確かめましょう。


柚子は気温が高い時期は乾燥しないようラップで包むか袋に入れ野菜庫に入れておくとよいでしょう。

香りが命なので、なるべく早く使いきるようにしてくださいね。


【秋の保存食レシピ】霜月(11月)柚子

柚子の皮は料理の風味付けにも使えます。

肉じゃがの隠し味に少し添えたり、和え物や冷奴などにほんのひとかけ添えるだけで、とても上品な料理になりますね。


浅漬けや醤油漬けを作る時に、ザク切りにしたユズを加えるだけで風味豊かなお漬物が出来ます。

またピクルスを作る時にも果皮またはザク切りを加えると美味しいですよ。


絞ってポン酢として使えば、鍋料理には欠かせませんね。冬ならではの味わい方を楽しめます。

オイルと共にドレッシングとしても爽やかな風味のサラダが楽しめます。


このように、柚子は果肉や果汁だけでなく、皮や種など実のあらゆる部分に体によい、さまざまな栄養が含まれています。

寒さに強く、育てやすい樹木でもあるので、ご自宅で柚子の木を栽培して、旬の時期にその実を堪能するのも素敵ですね。





 



11月 【和風月名 霜月】








 









【秋の保存食レシピ】霜月(11月)《柚子味噌》

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