
『青唐辛子しょうゆ麹漬け(三升漬けアレンジ)』
北海道・東北地方の郷土料理「三升漬け」は、青唐辛子と醤油と米麹を一升ずつ、合わせて三升漬け込んだ保存食です。東北地方では、一升漬や麹南蛮とも呼ばれています。
三升は多いので現代の家庭でも食べきれる量にして、爽やかな辛みにうま味と甘みを加えて食べやすく、調味料としても使いやすいようアレンジしました。
長期保存が可能なので、青唐辛子の出回る時期に作っておきます。熟成が進むとともに辛さがまろやかになるので味の変化も楽しめます。

《材料》作りやすい分量(350ml容量の保存びん1本分)
・青唐辛子:100g(中25本くらい)
・醤油:100ml
・米麹:100g
・みりん:50ml
・刻み昆布:3g
◎唐辛子によって辛さが違うので、味をみて量を調整してください。
《作り方》
※青唐辛子を扱う時は、素手で触らずゴムやビニールの手袋をするようにしてください。
①青唐辛子は洗ってヘタを切り薄い輪切り、またはみじん切りにする。種はそのまま入れますが、辛さを控えたい場合などは種を取り除いて辛さ調整してください。
フードプロセッサーで細かくしでもよいです。


②青唐辛子、米麹、刻み昆布と、醤油、みりんをボウルに入れて混ぜ合わせます。
しっかり混ざったら清潔な保存容器に入れます。
③冷暗所に2週間以上おいて時々かき混ぜながら熟成させます。トロッとして味がなじんだら食べられます。
〈食べ頃〉
2週間ほどおけば食べられますが、1ヶ月以上おくとより味がなじんで辛さがまろやかになってきます。
〈保存〉
常温で1〜2年間。暑い時期は冷蔵庫に入れておくと風味が保てます。
〈応用料理〉
ごはんのお供やお酒の肴。
焼いたり蒸したりしたお肉や魚の漬けだれに。
うどん、そうめんのめんつゆに入れたり和えるのもおすすめです。
湯豆腐や冷奴・納豆にかける、カレーや麻婆豆腐・チャーハンの隠し味に。
炒め物・和え物に加えると味が引きしまります。
エスニック風のサラダにも。
夏の保存食『青唐辛子しょうゆ麹漬け』を使ったアレンジレシピ①

夏の保存食『青唐辛子しょうゆ麹漬け』を使ったアレンジレシピ②

旬の食材のこと
『青唐辛子』

青唐辛子は色付く前に収穫した唐辛子です。
木になったまま完熟させると真っ赤になり、赤唐辛子になります。
青唐辛子を食べると主要な辛さ成分のカプサイシンが内臓感覚神経に働いて、アドレナリンの分泌を活発にさせるため、発汗及び強心作用を促す働きをするとされています。
唐辛子を食べると体が燃えるような感じがして汗が出すのはこのためなのですね。
唐辛子の刺激は胃腸をも刺激し、消化液の分泌を促すことになり消化を進めます。
また、食欲を増進させる働きもあるとされます。
食欲が落ちる夏、唐辛子を利かせた辛い物が食べたくなるのは、自然と身体が欲しているということなのですね。
栄養分として、ビタミンC・ビタミンE・βカロテンも含まれている良い食材です。
βカロテンは抗発ガン作用や免疫賦活作用、その他にも体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、そして、喉や肺など呼吸器系統を守る働きがあるといわれています。
唐辛子にはβカロテンと並んで、強い抗酸化作用をもつビタミンEが沢山含まれています。
これらは動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に良いだけでなく、美肌を保つためにも大切な栄養素です。
ただ、食べ過ぎると胃腸に刺激が強すぎるので注意しましょう。
鷹の爪など赤唐辛子は、加熱すると辛さが倍増するのはご存知でしょうか?
それに対して青唐辛子は加熱すると辛さが和らいで、ほんのりと甘みを感じるようになるんですよ。
選び方としては、全体にしっかりと色づき、表面に艶があるものを選びます。
軸の切り口がまだ新しく、茶色く変色したり干からびたりしていないかも確かめましょう。
生の青唐辛子は、乾燥しないように袋に入れて冷蔵庫の野菜庫に入れておきます。
1週間ほどは持ちますが、早めに調理や加工を。
青唐辛子は夏から秋の8月~10月頃が旬。時期の終わり頃には、辛味がさらに増すそうです。
生食に適している時期は、6月から10月頃となります。
そう長くはない期間ですので、見かけたら買ってしまう方がいいかもしれませんよ。
少々値段がお高めなのは、旬の短さと、まだまだ馴染みの薄い食材なために、大量入荷をしていないところが多いからでしょうか。
それなら!
来年は、家庭菜園も考えてみてはいかがでしょう?
自家栽培は食べられるまでに少し時間はかかりますが、育てる楽しさから味わえば、何より美味しく感じるのではないでしょうか。
プランターで簡単に栽培でき、病害虫もつきにくい野菜で、初心者向けだと言われているようですよ。
7月 【和風月名 文月】
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