
ぬか漬けや野菜の漬物など、日本では古くから乳酸菌の力を利用した保存食がありますが、今回は、食材を塩水に漬け込むだけで手軽に作れる「乳酸発酵漬け」を、旬のレモンとの組み合わせでご紹介します。
「乳酸発酵漬け」のいいところ
①食材を塩水に漬けるだけなので手軽に作れる。
②そのまますぐ使えるので時短調理ができ、いろいろな料理に使える。
③旨み、甘み、酸味が増し、シンプルな味付けで料理が美味しくなる
④腸内環境を整え、美容と健康をサポートしてくれる。
⑤保存性が高まる。
など、体にうれしく、美味しく、便利な保存食です。
常備しておくと、日々の食事で手軽に乳酸発酵食をとることができますね。
レモンの乳酸発酵漬けは、発酵して旨みと甘みが加わり、レモンの酸味の角がとれる感じがします。さらに爽やかな香りを料理にプラスし、さっぱりと美味しく仕上げてくれます。
肉料理や魚料理、サラダやマリネなどによく合います。漬け汁も一緒に使ってください。
レモンは皮ごと使うので、ノーワックスのものがよいですね。今回は自宅の庭で実ったレモンを使いました。


《材料》出来上がり量 約500ml
・レモン(ノーワックス):2個(250gくらい)
〈5%の塩水〉250g
・塩:12.5g
・水:237.5g
《つくり方》
①レモンはヘタを切り落とし、3mm厚さの輪切りにします。
②ボウルに①のレモンと塩を入れて、軽く手で揉み込んでしんなりさせます。

③清潔な保存びん②を入れ、水を注ぎ入れます。レモンが完全に水に浸っているようにします。浸かってなければ、同じ濃度で塩水をつくって足します。
④ゆるくフタをして(またはラップ)、1〜2日間常温(20℃くらい)におきます。
1日2〜3回びんを上下に振って混ぜて発酵を促します。
*発酵ガスが出るので、びんのフタは完全には閉めず空気が抜けるようにしてください。
⑤汁が白っぽく濁り、酸味が出てきたら食べ頃です。フタをして冷蔵庫に入れて保存します。
〈保存〉
冷蔵庫で2週間程が保存の目安です。
〈メモ〉
・レモンは出来るだけ薄く切った方が食べやすいです。
・少しずつ酸味が強くなり、また野菜の食感がやわらかくなってゆきます。好みの味・食感のうちに食べきるのがおすすめです。
・雑菌が入らないよう、取り出すときは清潔なスプーンなどを使ってください。
・できあがりの味のイメージによって塩分量(2〜5%が基本)を変えたり、スパイスやハーブを加えたりして、自分好みの味を楽しんでみましょう。
〈応用メニュー〉
・肉や魚の臭み消しにもなるので、肉や魚の煮込み料理など。
・ささみ、スモークサーモン、白味魚、豆類、野菜などをオイルと一緒に和えるだけで簡単マリネに。
・肉や魚のグリルに、ハーブなどと一緒に添えるとさっぱりといただけます。
・サラダのドレッシングとして。
冬の保存食『乳酸発酵漬けレモン』を使ったアレンジレシピ

冬の保存食『乳酸発酵漬けレモン』を使ったアレンジレシピ

旬の食材のこと
『檸檬』

檸檬はミカン科ミカン属の柑橘で、インドが原産とされています。
別名クエン(枸櫞)とも呼ばれています、酸味の「クエン酸」という名称はこの檸檬から付けられたそうです。
店頭に並ぶほとんどが輸入のものですが、国産檸檬は広島県で全体の約半数以上が生産されています。そして広島に続き、愛媛、和歌山、熊本、佐賀と続きます。
国産のものは残留農薬や坊カビ剤など心配がなく、安心して使用でき、それだけに付加価値も高くなります。
年中スーパーで見かける檸檬ですが、国産檸檬の旬は冬です。
9月頃から収獲され始めますが、まだ青い状態なのでこの時期のものはグリーンレモンとも呼ばれます。
このグリーンレモンはもぎたてのフレッシュ感が味わえると人気です。
冬以降は黄色く色づき、12月下旬から3月頃までが檸檬の旬とされています。
檸檬の酸味の主な成分はクエン酸で、これには疲労回復、ストレス解消、免疫力向上、など様々な効果があるといわれています。
檸檬には果汁100gあたり50mg(全果だと100mg)ものビタミンCが含まれています。この量はちょうど大人が一日に必要なビタミンCの量にあたるので、毎日レモン果汁100ccを飲むといいということになります。
疲れた時にきゅっと絞ったドリンクや蜂蜜漬けにしたものを食べるといいですね。
店頭で選ぶときに重要視する点は弾力と重みです。
弾力がありずっしりと重いものは、水分が多く果汁が多い証拠です。
そして全体的にむらがなく黄色になっているものを選びます。
皮まで使いたい場合は、農薬を使用していない国産もレモンがおすすめです。
国産のものが手に入らず、皮も使いたい場合は、塩もみをしてこすりながら水洗いして使うとよいそうです。
2月 【和風月名 如月】
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